2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14570953
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
糸川 昌成 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員 (40332324)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 和彦 財団法人医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 参事研究員 (30124663)
吉川 武男 理化学研究所, チームリーダー(研究職) (30249958)
山田 和男 理化学研究所, 研究員 (10322695)
池田 研二 財団法人医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 参事研究員 (90232181)
|
Keywords | 統合失調症 / ニューロペプチドY / 多型 / プロモーター / 遺伝子 / リスクファクター / 転写活性 / 関連硫究 |
Research Abstract |
ニューロペプチドY(NPY)遺伝子に9箇所で多型を同定した。9多型について212例の統合失調症と199例の対照でcase-control studyを行ったところ、プロモーター領域の-485C>T(P=0.004,OR=1.52,CI=1.14-2.03),イントロン1のIVS1-52C>G(P=0.02,OR=1.46,CI=1.06-2.01),エクソン2の150A>G(P=0.05,OR=L33,CI=0.99-1.78)で有意な関連を認めた。 -485C>Tはプロモーター領域に位置するので、-485C>Tを含む786bpを導入したpGL3basicをIMR-32とCOS-1へトランスフェクションしてルシフェラーゼ・アッセイを行ったところ、神経細胞由来のIMR-32では-485Cを含むコンストラクトはコントロールの約2倍の転写活性を示し、-485Tは-485Cのおよそ40%を示した。-485Tと-485Cの転写活性には有意な差が認められた(P=0.02)。非神経細胞由来のCOS-1では、-485T,-485Cともにコントロールの約半分の活性を示し、両者間に有意な差は認められなかった。 100名の患者にPANSSを用いて重症度を評価し、-485Cと-485Tのそれぞれのホモ接合体患者を比較したところ、陽性症状ではP1の妄想(P=0,01)とP5の誇大性(P=0.02)でTのホモ接合体患者がCのホモ接合体患者より有意に得点が高かった。陰性症状ではN6の会話の流暢性欠如でT/Tの患者がC/Cの患者より有意に得点が低かった(P=0.04)。 以上の結果は、NPYの低下が統合失調症の病態に関与することを分子遺伝学的に支持した初めての証拠であり、-485Tは統合失調症のリスクファクターであることが示唆された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 糸川昌成: "Dopamine efflux via wild-type and mutant dopamine transporters alanine substitution for proline-572 enhances efflux and reduces dependence on extracellular dopamine, sodium and chloride concentrations"Brain Research Molecular Brain Research. 108・1-2. 71-80 (2002)
-
[Publications] 糸川昌成: "遺伝医学と診断-精神科臨床への分子遺伝学の応用-"精神科診断学. 13・2. 125-130 (2002)
-
[Publications] 糸川昌成: "A microsatellite repeat in the promoter of the NMDA receptor 2A subunit (GRIN2A) gene suppresses transcriptional activity and correlates with chronic outcome in schizophrenia"Pharmacogenetics. (in press). (2003)
-
[Publications] 吉川武男: "Identification of multiple genetic loci linked to the propensity for "behavioral despair" in mice"Genome Research. 12・3. 357-366 (2002)
-
[Publications] 池田研二: "Morphometrical Reappraisal of Motor Neuron System of Pick's Disease and Amyotrophic Lateral Sclerosis with Dementia"Acta Neuropathologica. 104・1. 21-28 (2002)
-
[Publications] 糸川昌成: "統合失調症がわかる本"法研. 266 (2002)