2003 Fiscal Year Annual Research Report
認知情報統合と反応抑止に関する前頭連合野の役割(ドーパミンを中心に神経伝達物質のグリアを介した相互作用を探る)
Project/Area Number |
14570958
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
児玉 亨 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (20195746)
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Keywords | 前頭連合野 / 認知情報 / 神経伝達物質 / ワーキングメモリー |
Research Abstract |
本研究計画はラットを用いた遺伝子導入による実験とサルを用いた生理薬理的実験とで平行して進めている。昨年度発表した基礎データを元に新たな実験を展開した。 ラットを用いた課題訓練 ラット用学習装置を用いて集めた基礎データを元に至適な学習課題を調整し訓練、データを集めた。本年度はデータの解析に終始した。 遺伝子導入と行動薬理実験 遺伝子導入実験動物による行動変化を観測し、遺伝子導入後2-3日における学習を比較するのがもっとも効果的であるという知見から訓練を行ないデータ数を増やしている。 「ドーパミンβ水酸化酵素の導入」 シンドビスウイルスを用いてドーパミン神経核(A10,A8/A13)にドーパミンβ水酸化酵素(DBH)導入を確認、学習との関係を調べているが、学習プログラムによる差が出にくい事が判明、新たなパラダイムを検討中である。 「ドーパミン関連ノックアウトおよびトランスジェニックマウスによる研究」 理化学研究所との共同研究中のパーキンソンモデルマウスにおいて行動と学習に異常が見られたため、上記の遺伝子導入ラットとの比較を行った。 サルを用いた学習実験 この研究はラットの実験結果を反映させ、進行中の研究を発展させて行う計画である。 本年度は、引き続き基礎となる神経伝達物質(特にドーパミンとグルタミン酸の相互作用)の変化の検討を進めて成果を学術会議において発表した。また、マイクロダイアリシスプローブを用いて薬物投与の実験を行ない、結果をまとめているところである。最終年度の学会発表および、学術誌発表を予定し準備を進めている。
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