2003 Fiscal Year Annual Research Report
血小板刺激伝達異常症-新たな疾患群の確立と病因解析
Project/Area Number |
14570968
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
布施 一郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教授 (90242429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥羽 健 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (60313540)
古川 達雄 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教授 (00272849)
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Keywords | トロンボキサン受容体 / ADP受容体 / P2X1受容体 / P2Y12受容体 / 血小板刺激伝達異常性 |
Research Abstract |
血小板機能の発現には、各種の膜表面受容体(ADP受容体、コラゲン受容体、トロンボキサン受容体など)と、受容体以降の刺激伝達機構の関与が極めて重要な役割を占める。申請者らは血小板機能異常症のうち、このどちらかの障害に起因するものを、血小板刺激伝達異常症とする概念を提唱し、すでに前者の異常として、トロンボキサン受容体の異常によるシグナル伝達異常症(トロンボキサン不応症)を明らかにしている(Blood81:994,1993,J Clin Invest94:1662,1994,Thromb Haemost76:1080,1996,Thromb Haemost82:1528,1999)。 今回、申請者らはADP凝集の異常を特徴とする血小板機能異常について、ADP受容体P2Y_<12>に注目してその刺激伝達経路の生理的重要性に関する解析を行った。P2Y_<12>はadenylte cyclaseとcoupleしていることが知られており、血小板内cAMPの動態に深く関与している。そこでADP凝集の低下を特徴とする血小板機能畢常症3例を対象に遺伝子解析を行い、更に機能解析としてPGE_1、PGE_1+ADP,PGE_1+epinephrine刺激時の細胞内cAMPの定量を行った。しかし、遺伝子異常はなく、また機能解析面でも血小板内cAMPの動態は正常であった。この事から、これらの症例ではP2Y_<12>よりもP2X_1受容体からCa動員、Gq蛋白を介したphospholipase C活性化の経路の異常が強く示唆され、この成果の一部をBritish Journal of Haematologyに発表した。また、治療法として一部の血小板機能異常症ではDDAVPが有効であることをTransfusuionに発表した。
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[Publications] Ichiro Fuse, et al.: "DDAVP normalized the bleeding time in patients with congenital thromboxane A_2 receptor abnormality"Transfusion. 43. 563-567 (2003)
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[Publications] Miwako Narita, et al.: "Ca^<2+> ionophore-induced dendritic cell differentiation in a patient with defective Ca^<2+> ionophore-induced platelet aggregation"British Journal of Haematology. 120. 910-911 (2003)
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[Publications] Ichiro Fuse, et al.: "DDAVP normalized the bleeding time in patients with platelet disorder characterized by defective calcium ionophore-induced platelet aggregation"British Journal of Haematology. 122. 870-871 (2003)
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[Publications] 布施一郎: "血小板機能異常性-トロンボキサンA_2不応症"総合臨床. 52. 1643-1646 (2003)
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[Publications] 布施一郎: "血小板トロンボキサン受容体とシグナル伝達異常症-トロンボキサン受容体異常症を中心として-"医学のあゆみ. 208. 203-206 (2004)
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[Publications] 布施一郎: "血小板生物学"メディカルレビュー社(2004年発行予定). (2004)