2003 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍剤耐性細胞におけるDNA修復酵素および遺伝子の関与
Project/Area Number |
14570971
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
浦崎 芳正 福井大学, 医学部付属病院, 講師 (10281031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 孝典 福井大学, 医学部付属病院, 教授 (40160171)
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Keywords | 多剤耐性 / DNA修復 / topoisomerase / arsenic acid / MRP / PGP |
Research Abstract |
造血器悪性腫瘍は化学療法に反応し治療が期待できる疾患となっている。その反面再発例や耐性例の存在が重要な問題となっている。これまで我々は各種薬剤耐性細胞を樹立するとともにその耐性機序とその克服について検討を加えてきた。 この抗腫瘍化学療法に対する多剤耐性および獲得耐性は臨床的に重要な問題であり、今回我々はDNA損傷の修復遺伝子遺伝子と抗腫瘍剤耐性との関わりを検討している。 まずDNA損傷修復遺伝子遺伝子Ref-1/APEのクローニングをrtPCR法を用いて行った。このDNAをベクターに組み込み、ヒト白血病培養細胞K562にトランスフェクトした。この時蛍光色素蛋白GFPをRef-1に組み合わせた形で過剰発現細胞を樹立した。トランスフェクション後にGFP-ref1融合蛋白がK562の核内におもに発現する事をコンフォーカル顕微鏡で認めた。またウェスタンブロットにて融合蛋白が過剰発現していることも確認した。各種抗腫瘍剤に対する感受性を検討しtopoisomerase I阻害剤であるカンプトテシンに耐性をみとめた。今後もさらに薬剤感受性の検討を進めていく予定である。 DNA修復および複製に欠かせないtopoisomerase Iについてもトランスフェクションを行う予定でクローニングを行った。また近年抗腫瘍剤として注目されている亜砒酸について各種耐性細胞に対する抗腫瘍効果を検討し細胞内グルタチオンとフェリチンが感受性のキーエンザイムである可能性を認めたこのためフェリチンのDNAをクローニングしトランスフェクションするよう準備中である。グルタチオンについては現在論文作成中である。
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