2002 Fiscal Year Annual Research Report
GPIb自動結合・非結合型Von Willebrand因子ノックインマウスの作成
Project/Area Number |
14570974
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松下 正 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (30314008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 晃士 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員
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Keywords | von Willebrand factor / GPIb / Polymerase chain reaction / platelet / thrombosis / Knock out / alanie scanning mutagenesis / homologous recombination |
Research Abstract |
冠動脈、脳血管を問わずあらゆるタイプの血管に発生する血栓症においては、血小板のGPIbα鎖のvon willebrand因子(以下VWF)へめ粘着がその起点と考えられる。しかしながらこれまで喧伝されているようにVWFが実際の血栓症発症において実際どの程度の役割を果たすのかは全く分かっていない。本研究では主にGPIb結合部位Lys599をアラニンに置換したマウスVWFを表現形として持つノックインマウスを作成、血栓症におけるVWFの真の役割を明らかにしようとするものである。VWFのGPIb結合部位にmutationを持つヒト疾患は知られていないので結合能欠如マウスが呈する表現型はヒト疾患からは予測できない。表現型解析によりGPIb結合部位としてのLys599の重要性を確認できると共に、血栓誘発により、血栓症発症におけるVWFの役割を明らかにすることができる。 平成14年度:相同組換え体の単離・同定とノックインマウスの作製 129SVJマウスのゲノムライブラリー(STRATAGENE杜製)からすでに明らかになっているマウスVWFのexon28(A1 domainをふくむ)のシークエンスをkeyにマウスVWFゲノム遺伝子のAlドメインを含む断片を単離、得られたマウスVWF geneをもとに1oxP配列によって囲まれたネオマイシン耐性遺伝子(MC1-neo)とジフテリア毒素Aフラグメント遺伝子(PGK-DTA)によるポジティブ・ネガティブセレクション用のターゲティングベクターを作成し、あわせてVWF当該領域(Aldcminに含まれる)に対レてsite-directed mutagenesisを行ってK599Aの3 mutationを導入した。15年度はこれをエレクトロポレーションによりES細胞(D3細胞)に導入、G-418入りES培地により選択培養し、PCRおよびサザン解析して相同組換え体の単離・同定を行う。得られたクローンをC57BL/6Jマウスより採取した胚盤胞に注入し、回復を待って仮親の子宮に移植する。仮親から生まれたキメラマウスをICRマウスと交配し、生まれたマウスをPCRおよびサザン解析し変異アレルの伝搬を調べ、ヘテロマウスを抽出する。得られたマウスはtransgenic technologyによりCre-recombinaseを発現するCAG Cre mouseと交配させ、Cre-recmbinaseによりloxP配列で挟まれたNeoR遺伝子とDTA遺伝子がはずされているものをPCRによって選別する。
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