2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀尾 勝 大阪大学, 医学部, 助教授 (20273633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 優 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20222101)
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Keywords | 高浸透圧 / ミトコンドリア / アポトーシス / チトクロームc / Caspase / p53 / Bax / Bcl-2 |
Research Abstract |
培養ラット腹膜中皮細胞を用い、高浸透圧依存性アポトーシスのシグナル伝達機構を検討した。グルコース添加によりメディウム浸透圧を300より500mOsmに増加させると細胞死は認めないが増殖抑制がおこり、p53発現量は4時間後にピークを示した。P53の標的遺伝子産物であるP21、MDM2の増加が8時間後に認められ、増殖抑制はp21の増加によると推測された。アポトーシスを誘導し、P53の標的遺伝子産物でもあるBaxの発現量は変化しなかった。メディウム浸透圧を700mOsmまで増加させると、2時間後にCaspase-9、Caspas-3活性の有意な増加を認め、8時間後には細胞死が誘導された。caspase-8の活性化はわずかであった。Caspase-9が活性化することよりミトコンドリア障害のアポトーシスへの関与が考えられた。細胞質分画とミトコンドリア分画を調製後、チトクロームCの蛋白量を検討し、チトクロームCがミトコンドリアから細胞質に漏出することを明らかにした。チトクロームCの漏出にbcl-2 familyの関与が報告されているが、高浸透圧による細胞死ではp53発現量は急速に減少し、Bax, Bcl-2の発現量は変化しなかった。高浸透圧によるアポトーシスではミトコンドリア障害よリチトクロームCの放出がおこり、Caspase familyを活性化すると推測される。またこのチトクロームCの放出にp53、Baxは、関与しないと考えられた。
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