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2003 Fiscal Year Annual Research Report

高浸透圧によるアポトーシス誘導機構の解析

Research Project

Project/Area Number 14571022
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

堀尾 勝  大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20273633)

Keywords高浸透圧 / ミトコンドリア / アポトーシス / チトクロームc / Bax / Bcl-2 / caspase
Research Abstract

培養ラット腹膜中皮細胞を用い、高浸透圧依存性アポトーシスのシグナル伝達機構を検討した。メディウム浸透圧を700mOsmまで増加させると、チトクロームCがミトコンドリアから細胞質に漏出し、caspase-9、caspase-3活性化が起こり、ミトコンドリア経路によるアポトーシスが誘導された。種々のアポトーシス誘導刺激ではミトコンドリアに存在するチャネルを介したチトクロームCの漏出が起こり、Bax, Bcl-2蛋白の関与が重要とされているが、腹膜中皮細胞の高浸透圧依存性アポトーシスではBax, Bcl-2の発現量変化は認めなかった。ミトコンドリアからチトクロームC漏出の機序を明らかにするため、培養ラット腹膜中皮細胞よりミトコンドリアを単離し、単離ミトコンドリアからのチトクロームCの漏出を次に検討した。高浸透圧負荷によりミトコンドリアへ物理的な力が加わり、ミトコンドリア外膜が傷害されることを想定し、ミトコンドリアの形態変化を散乱光を用いて検討した。KCl、グルコース添加により高浸透圧に調製したメディウムに変更するとミトコンドリアサイズは急速に減少し、このサイズの変化に添加した溶質による相違はなかった。単離ミトコンドリアからのチトクロームCの漏出はNaCl、KCl添加の場合においてのみ認められ、スクロース、グルコース添加では認められなかった。ミトコンドリアからのチトクロームCの漏出は高浸透圧による単純な物理的な外膜の破壊ではなく、チャネルなどを介した選択的な機序によると考えられる。細胞が高浸透圧条件にさらされると、細胞質ではKClなどの電解質濃度がはじめに上昇し、その後、有機浸透圧物質に置換される。高浸透圧負荷直後の電解質濃度の上昇がミトコンドリアからのチトクロームC漏出、アポトーシス誘導に重要な働きを持つと考えられる。

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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