2002 Fiscal Year Annual Research Report
膵β細胞再生における分子機構と膵nestin発現細胞の病態生理的意義に関する研究
Project/Area Number |
14571063
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細田 公則 京都大学, 大学院・人間・環境研究科, 助手 (40271598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 達也 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00314211)
井上 元 京都大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20260606)
伊藤 裕 京都大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40252457)
吉政 康直 国立循環器病センター, 部長 (00252437)
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Keywords | β細胞 / 再生 / 中枢神経系 / nestin / streptozotocin膵β細胞再生モデルラット / 血管内皮細胞 / von Willebrand factor |
Research Abstract |
(目的)β細胞は内胚葉由来であるが、β細胞と神経細胞の分化の類似性が指摘されている。nestinは神経幹細胞のマーカーであるが、最近、膵nestin発現細胞は、β細胞前駆細胞である可能性が指摘されている。本研究では、膵β細胞再生モデルで、β細胞の胎生期の発生分化に関与するNeurogenin 3 (NGN3)の意義を検討し、また膵におけるnestin発現細胞を検討した。 (方法・結果)膵β細胞再生モデルのstreptozotocin投与β細胞再生ラットを用いて、Taqman PCRでNGN3の遺伝子発現は非常に低く、再生モデルで特に変化が認められなかった。in situ hybridization法で胎生期の中枢神経系ではNGN3の発現が認められるのに対して、生後の膵臓では正常ラット、およびstreptozotocin投与β細胞再生ラットで認められなかった。nestinはGFP蛍光による検討、抗GFP抗体によるGFPの発現の検討で、streptozotocin投与β細胞再生ラットのみならず、正常ラット膵とラ氏島とラ氏島以外の部分で発現していた。HE染色で膵での発現細胞は血管内皮細胞と思われたので、von Willebrand factorによる免染を行い、同一の細胞で発現していた。NestinGFPトランスジェニックマウスの膵組織をdisperseして、膵組織由来細胞の約1割以上で、FACS陽性であった。 (考察)生後の膵ではNGN3の発現は認められず、生後のβ細胞再生におけるNerugongein 3の意義は不明である。生後の膵でのnestinの局在の検討では、血管内皮細胞であることが明らかになった。血管内皮細胞が中胚葉由来であるのに対して、β細胞が内胚葉由来であるので、nestin陽性細胞がβ細胞の前駆細胞である可能性に関して、一部の細胞がそうである可能性が完全に否定される訳はないが、大半の細胞はそうではないことが明らかになった。現在、他のβ細胞の幹細胞に特有の候補分子の発現の検討を行っている。
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[Publications] J.Fujikura, K.Hosoda et al.: "Differentiation of embryonic stem cells is induced by GATA factors"Genes and Development. 16・7. 784-789 (2002)
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[Publications] H.Iwakura, K.Hosoda et al.: "Ghrelin expression in islet cell tumors-augmented expression of ghrelin in a case of glucagonoma with multiple endocrine neoplasm typeI"J. Clin. Endocrinol. Metab. 87・11. 4885-4888 (2002)
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[Publications] H.Ariyasu, K.Hosoda et al.: "Delayed short-term secretory regulation of ghrelin in obese animals : evidence by a specific RIA for the active form of ghrelin"Endocrinology. 143・9. 3341-3350 (2002)
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[Publications] T.Miyawaki, K.Hosoda et al.: "Clinical implications of leptin and its potential humoral regulators in long-term low-calorie diet therapy for obese humans"Eur. J. Clin. Nutr. 56・7. 593-600 (2002)