2004 Fiscal Year Annual Research Report
副腎皮質腫瘍における核内受容体によるホルモン産生異常機構の検討:核内オーファンレセプターCOUP-TFおよびSUMO-1結合酵素Ubc9の機能解析
Project/Area Number |
14571072
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
柴田 洋孝 慶應義塾大学, 保健管理センター, 専任講師 (20245484)
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Keywords | COUP-TF / Ubc9 / PIAS1 / coactivator / CYP11B2 |
Research Abstract |
1.COUP-TFI結合蛋白としてのPIAS1の同定 Yeast two-hybrid systemを用いて、COUP-TFI結合蛋白として、PIAS1 (protein inhibitor of activated STAT1)の同定に成功した。Ubc9,PIAS1は、各々、蛋白質のSUMO化におけるconjugating enzymeおよびligaseであり、この3者は細胞内で複合体を形成することが示された。 2.COUP-TFI-Ubc9-PIAS1複合体によるアルドステロン産生調節 免疫組織化学解析により、副腎皮質の球状層細胞においてUbc9,PIAS1はCOUP-TFIと共局在を認めた。そこで、ヒト副腎由来H295R細胞を用いて、アルドステロン合成酵素CYP11B2(-1521/+2)-luciferaseレポーター遺伝子を用いたtransient transfection assayを行った。すると、COUP-TFIはAd5部位(-129/-114)に特異的に結合して、同レポーター遺伝子の転写活性化にはたらくことが示された。さらに、Ubc9,PIAS1の共発現により、同転写活性が相乗的に増強された。 次に、Ubc9,PIAS1のsmall interference RNAを導入して、内因性のUbc9,PIAS1発現量を低下させると、COUP-TFIによる転写活性が約30-50%減少を認めたことから、内因性のUbc9,PIAS1はCOUP-TFIのcoactivatorとして機能していることが示された。さらに、内因性CYP11B2遺伝子のAd5部位にUbc9,PIAS1,COUP-TFIが動員されていることがクロマチン免疫沈降法にて確認された。以上の結果から、COUP-TFIは副腎皮質におけるアルドステロン産生に重要な転写因子であり、SUMO化酵素Ubc9,PIAS1はCOUP-TFIによるアルドステロン産生を増強する新規coactivatorであることが示された。
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Research Products
(7 results)