2002 Fiscal Year Annual Research Report
圧受容体によるプロレニン産生・分泌制御が糖尿病性腎症の進展に及ぼす影響
Project/Area Number |
14571073
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
市原 淳弘 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60203105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 由布子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30286471)
小浦 優佳子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90306697)
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Keywords | 糖尿病 / レニン / 傍糸球体細胞 / ストレプトゾトシン |
Research Abstract |
平成14年度は、糖尿病において、傍糸球体細胞の圧によるレニンの産生と分泌調節を検討した。1週前にストレプトゾトシン(65mg/kg)を腹腔内注射したSDラット(糖尿病ラット、血糖300mg/dl以上)の腎臓より分離した初代培養JG細胞を、加圧装置内で12時間培養し活性レニン分泌率(RSR)、不活性レニン分泌率(PRSR)、細胞内活性レニン量(ARC)、細胞内総(活性+不活性)レニン量(TRC)を測定した。対照として同量の生食を腹腔内注射したSDラット(血糖150mg/dl以下)を用いた。対照ラットのJG細胞において、大気圧から大気圧+40mmHgへの圧負荷は有意にRSR(61.8+1.3%から24.4+4.4%へ)、PRSR(13.6+1.5%から4.5+1.5%へ)、ARC(61.8+4.9から43.3+4.1ng of angiotensin I per h per million cells (=RC units)へ)を減少させたが、TRCを変化させなかった(88.5+7.5から90.0+9.8 RC unitsへ)。一方、糖尿病ラットのJG細胞において、対照ラットのJG細胞と比べ大気圧下でのRSR(42.5+3.5%)とARC(32.7+3.1 RC units)は有意に減少しPRSR(28.3+4.0%)は有意に増加していたが、大気圧+40mmHgへの圧負荷は、RSRやPRSRに影響せず、ARCを有意に減少させた(9.6+1.4 RC units)。このARCの減少度(78.7+2.1%)は対照ラットの減少度(46.2+5.2%)と比べ有意に大きかった。糖尿病ラットJG細胞のTRCは対照ラットJG細胞のTRCと比べ有意差なく圧によっても影響を受けなかった。糖尿病においては、圧による傍糸球体(JG)細胞からの分泌抑制調節は障害され、プロレニンからレニンへの活性化抑制は増強する。
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