2002 Fiscal Year Annual Research Report
GH分泌惹起物質受容体発現抑制トランスジェニックラットを用いた同受容体の機能解明
Project/Area Number |
14571077
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
芝崎 保 日本医科大学, 医学部, 教授 (00147399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大畠 久幸 日本医科大学, 医学部, 助手 (80256924)
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Keywords | グレリン / グレリン受容体 / 成長ホルモン分泌 / 体脂肪 |
Research Abstract |
成長ホルモン(GH)分泌惹起物質(GHS)の受容体(GHSR)がクローニングされ、その後にわが国の研究者により、そのリガンド候補として胃からグレリンが発見された。GHSと同じくグレリンを投与するとGH分泌亢進や摂食促進が生じるが、内因性グレリンの生理的働きの詳細は不明であった。そこで、この点を明らかにするためにtyrosine hydroxylaseのプロモーターの下流にGHSR遺伝子の一部を逆向きに挿入した導入遺伝子を用いてGHSRの発現を抑制したトランスジェニックラットを作成した。このラットは低体重、低体脂肪、GHS投与による摂食促進が消失し、GH分泌増加の減弱が見られた。抗GHSR抗体を用いて免疫組織化学的に視床下部弓状核のGHSRの発現が抑制されていることが確認された。従って、内因性グレリンは体重の維持、体脂肪の維持、GH分泌に促進的に関与していることが明らかになった。さらに同トランスジェニックラットの視床下部弓状核のNPYの発現には対照正常ラットと比べ差は認められなかったが、GH-releasing factor(GRF)の発現が有意に減少していることが明らかになった。これよりグレリンがGRFの発現に影響を与えている可能性が示唆され、現在この点についての研究を進めている。さらに同ラットのエネルギー代謝の変化について解析している。
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Research Products
(1 results)