2002 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病状態におけるVLDL受容体とDyslipidemiaの成因の解明
Project/Area Number |
14571087
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
芫橋 貞夫 福井医科大学, 医学部附属病院, 助手 (50303376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 浩明 BML, 研究開発2部・代謝調節研究課, 主席研究員
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Keywords | 糖尿病 / 高脂血症 / リポ蛋白受容体 / リポ蛋白リパーゼ |
Research Abstract |
【目的】糖尿病状態におけるVLDL受容体生理機能をを検討した。 【方法】Streptozotocin(STZ)誘発1型糖尿病モデル動物におけるVLDL受容体発現と血中TC、TG濃度との関連を研究した。1型糖尿病モデル動物はSDラット(8週齢)に60mg/kgのSTZを投与し、作成した。コントロールは同量の生理食塩水を投与したSDラットとした。 【成績】STZ投与後4週におけるSTZラットはインスリン欠如(8.28±0.88ng/ml vs 0.61±0.19ng/ml, mean±SD)による高血糖状態を呈した(273.3±46.3mg/dl vs 538.8±75.2mg/dl)。TC濃度はそれぞれコントロールの3.7倍(643±7.4mg/dl vs 238.2±129.0mg/dl, P<0.05)、TG濃度は約8倍(159.7±60.7mg/dl vs 1541.2±1001.1mg/dl, P<0.05)に増加し、VLDLレムナントの増加が主体であった。肝臓におけるLDL受容体・LRP蛋白発現はコントロールとSTZラットの差はなかった。STZラット心筋組織におけるVLDL受容体蛋白発現はコントロールと比較してわずかに低下を示した。一方、STZラット筋肉組織におけるVLDL受容体蛋白発現はほとんど消失していた。STZラット脂肪組織は長期の糖尿病状態のため消失していた。STZラット筋肉組織におけるVLDL受容体mRNA発現はコントロールと差はなく、翻訳効率低下か蛋白崩壊がVLDL受容体蛋白発現消失の原因と考えられた。肝臓からのVLDL産生量の差はなかった。Post-heparin LPL活性は、STZラットで低下していた。 【結論】1型糖尿病におけるレムナント蓄積は、インスリン欠乏による筋肉組織VLDL受容体蛋白発現の低下とLPL活性低下に起因することが推定された。
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Research Products
(1 results)