2003 Fiscal Year Annual Research Report
マルチプルリスクファクター症候群におけるACATの活性調節機構
Project/Area Number |
14571101
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
宮崎 章 昭和大学, 医学部, 教授 (70253721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 民雄 昭和大学, 医学部, 講師 (50228392)
巌本 三壽 昭和大学, 医学部, 講師 (50176567)
本郷 茂樹 昭和大学, 医学部, 講師 (40054043)
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Keywords | ACAT / マクロファージ / 動脈硬化 / 泡沫細胞 / コレステロールエステル |
Research Abstract |
細胞内コレステロールエステル化酵素、アシルコエンザイムA:コレステロールアシル基転移酵素(ACAT)はマクロファージの泡沫細胞化(コレステロールエステルの蓄積)に重要な役割を果たしている。ACATにはACAT1、ACAT2の二つのアイソフォームが存在し、一般にはマクロファージの主要なACATイソフォームはACAT1と考えられている。我々はヒト及びマウスの動脈硬化病変をACAT2に対する特異抗体を用いて免疫組織学的に検討したところ、コレステロールエステルを蓄積したマクロファージ由来泡沫細胞には、ACAT1のみならず、ACAT2も有意に発現していることを認めた。動脈硬化病変のすべてのマクロファージがACAT1を発現しているのに対し、ACAT2を発現しているマクロファージは70-80%であった。ウェスタンブロット並びにRT-PCR法により、培養ヒト単球・マクロファージにおけるACAT2発現を検討すると、分化初期の細胞にはACAT2発現を認めなかったが、十分に分化したマクロファージにはACAT2の有意な発現がみられた。また、マウスの腹腔常在マクロファージにはACAT2の発現はみられなかったが、チオグリコレートで腹腔内を刺激して得られた滲出性マクロファージには有意なACAT2の発現がみられた。これらの結果から、種々の病態のもとに存在する分化成熟したマクロファージは、ACAT1のみならずACAT2も発現していることが明らかとなった。
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[Publications] Miyazaki, A. et al.: "Acyl-coenzyme A : cholesterol acyltransferase inhibitors for controlling hypercholesterolemia and atherosclerosis."Current Opinion in Investigational Drugs. 4. 1095-1099 (2003)
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[Publications] Sakashita, N. et al.: "Acyl-coenzyme A : cholesterol acyltransferase 2 (ACAT2) is induced in monocyte-derived macrophages : in vivo and in vitro studies."Laboratory Investigation. 83. 1569-1581 (2003)
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[Publications] Maeda, A. et al.: "Genomic organizarion, expression, and comparative analysis of noncoding region of the rat Ndrg4 gene."Gene. 324. 149-158 (2004)