2003 Fiscal Year Annual Research Report
膵β細胞で発現する新規BRG1遺伝子の機能と糖尿病の成因としての意義に関する研究
Project/Area Number |
14571102
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
濱口 和之 大分大学, 医学部, 助教授 (60180931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉松 博信 大分大学, 医学部, 教授 (00166993)
若菜 茂晴 大分大学, 医学部・理科学研究所, 研究員 (90192434)
伊奈 啓輔 大分大学, 医学部, 助教授 (20203193)
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Keywords | マウス / 膵β細胞 / MIN6 / 糖尿病 / ゲノム / 膵α細胞 / BRG1 / グルカゴン |
Research Abstract |
我々はマウス膵β細胞株に高発現を示すBRG1遺伝子の単離に成功し、その遺伝子の機能的側面を研究している。今年度の研究では、BRG1のアミノ酸配列から、ペプチド抗体を作製し、この抗体が認識する抗原を正常マウス膵島や遺伝性糖尿病マウスであるdb/dbマウスの膵島で組織染色を行い、その特徴を解明することを主眼とした。正常マウス膵島でははっきりとした染色がみられなかったが、遺伝性糖尿病マウスであるdb/dbマウスの膵島では、膵島内の細胞質に染色性がみられた。当初、二重染色ではdb/dbマウスの膵β細胞に一致していると考えられたが、その後の詳細な検討により、膵α細胞内のグルカゴン顆粒に一致して染色されることが判明した。しかし、グルカゴン顆粒の全てが染色されるわけではないので、グルカゴン顆粒内でグルカゴンとは異なる抗原を認識しているものと考えられた。db/dbマウスの膵島は過形成を起こし、膵α細胞も良く保持されるため、染色されやすかったと思われる。膵β細胞株は多かれ少なかれ、脱分化を起こしているため、膵β細胞株から単離されたBRG1抗原のペプチド抗体が膵α細胞で発現する抗原を認識していた可能性がある。このペプチド抗体は膵α細胞における新たな抗原を認識しているという点で非常に興味深い。今後は、他のアミノ酸配列からの抗体を作成し、やはり膵α細胞を認識するのか否かを解明し、BRG1遺伝子の機能を明らかにする予定である。 一方、ゲノムレベルからの解析として、本年度は1型糖尿病患者のゲノムDNAを収集し、1型糖尿病関連遺伝子と考えられるIKBL遺伝子のSNP解析を開始している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hamaguchi K, et al.: "Cellular Interaction between Mouse Pancreatic α-Cell and β-Cell Lines : Possible Contact-Dependent Inhibition of Insulin Secretion"Exp Biol Med. 228. 1227-1233 (2003)
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[Publications] Shao W, et al.: "Analysis of HLA-B polymorphism in insulin dependent diabetes mellitus in Japanese"MHC. 9. 163-169 (2003)