2002 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化・動脈石灰化病変の形成におけるオステオプロテジェリンの役割に関する研究
Project/Area Number |
14571107
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
塩井 淳 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90260801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城野 修一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60336790)
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Keywords | ApoEノックアウトマウス / 動脈硬化 / 動脈石灰化 / オステオプロテジェリン / 冠動脈疾患 |
Research Abstract |
(1)13週齢のApoE(-/-)OPG(-/-)マウスおよびApoE(-/-)OPG(+/+)マウスにおける動脈硬化病変の程度をaortic sinusのプラーク面積を計測することにより評価した。ApoE(-/-)OPG(-/-)マウスにおいてプラーク面積が増加する傾向はみられたが、両者間で有意な差は認められなかった。また、13週齢マウスではプラークの石灰化は認められなかった。プラークの石灰化病変の程度を定量的に評価するため、マウス大動脈のプラーク石灰化を定量する方法を確立した。ひとつは、大動脈をalizarin red S染色し、染色された領域の面積を計測する方法である。もうひとつは、大動脈を凍結乾燥し、組織中のカルシウムを抽出・測定する方法である。予備的検討により、38週齢のマウスでは大動脈弓部に明らかなプラークの石灰化がalizarin red S染色により確認された。そこで、38週齢においてApoE(-/-)OPG(-/-)マウスおよびApoE(-/-)OPG(+/+)マウスのプラーク石灰化病変をalizarin red S染色により検討したところ、ApoE(-/-)OPG(-/-)マウスにおいてプラークの石灰化が有意に増加する可能性が示唆された。現在、n数を増やして検討中である。 (2)ヒト冠動脈硬化症における血清OPG濃度の意義について臨床的検討を行った。冠動脈造影を施行した201例の患者を対象とし、血清OPG濃度と冠動脈病変の程度(有意狭窄の枝数)との関係を解析したところ、病変枝数が増加するにつれて血清OPG濃度が有意に上昇することが明らかにされた。また、多変量解析により血清OPG濃度が冠動脈疾患と有意に関連することが示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shioi A, Katagi M, Okuno Y, Mori K, Jono S, Koyama H, Nishizawa Y: "Induction of bone-type alkaline phosphatase in human vascular smooth muscle cells"Circulation Research. 91. 9-16 (2002)
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[Publications] Jono S, Ikari Y, Shioi A, Mori K, Miki T, Hara K, Nishizawa Y: "Serum osteoprotegerin levels are associated with the presence and severity of coronary artery disease"Circulation. 106. 1192-1194 (2002)
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[Publications] Shioi A: "Vascular Calcification. Morii H, Nishizawa Y, Massry SG (eds) Calcium in Internal Medicine"Springer. 504 (2002)