2002 Fiscal Year Annual Research Report
アポ蛋白A-II、C-I、C-IIのアポ蛋白B含有リポ蛋白代謝に及ぼす影響
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14571110
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
池脇 克則 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40287199)
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Keywords | リポ蛋白 / アポ蛋白 / 安定同位体 / GC-MS |
Research Abstract |
本年度は、代謝実験の前段階として、まずアポ蛋白に対する抗体を吸着させたカラムを作成しアポ蛋白組成によるVLDLの分画を検討した。アポ蛋白C-III含有VLDLは全体の43%であったのに対して、アポ蛋白A-II、C-I、C-II含有VLDLはそれぞれ12、30、12%であった。さらに、これらのアポ蛋白には同じリポ蛋白上に存在する傾向は低かった。すなわち、アポ蛋白A-II、C-I、C-II中の2種類のアポ蛋白の有無の組み合わせでは、一部の分画で代謝実験で必要とされる量のアポ蛋白B-100を得ることができなかった。したがって、最も含有率の高かったアポ蛋白CIとアポ蛋白C-IIIとの組み合わせ亜分画することとした。また、前回我々は、アポ蛋白E、C-IIIの組み合わせでは、E-/CIII-43%、E-/CIII+12%、E+/CIII-8%、E+CIII+38%であることを報告した(Khoo C et al., J.Lipid Res.1999)。この分布は代謝実験でも分析可能なものであり、今回の組み合わせと並行してアポ蛋白EとCIIIの亜分画代謝の検討も実施することにした。これらの基礎検討の後、まず5名の正脂血症に対して、承諾を得た上で代謝実験を施行した。安定同位体(2H3-leucine)を12時間持続点滴し、72時間後まで頻回に採血した。血漿分離後、まず抗アポ蛋白CIII抗体吸着カラムにアプライしてアポ蛋白CIIIを含む分画、含まない分画に分離した。その後、それぞれの分画を2分してそれぞれ抗アポ蛋白CI抗体と抗アポ蛋白E抗体吸着カラムにかけた。次に超遠心法でlight VLDL, dense VLDL, IDL, LDL1,LDL2,LDL3に分けイソプロパノール沈殿法でアポ蛋白B100を沈殿させた。現在、アミノ酸修飾とGC-MSによるtracer/tracee ratioの測定を行っている。
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