2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子多型によるヒトアポA-Iの発現制御と高脂血症治療薬に対する反応に関する研究
Project/Area Number |
14571115
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
松永 彰 福岡大学, 医学部, 助教授 (60221587)
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Keywords | アポA-I / 高脂血症 / フェノフィブラート / ピタバスタチン / 遺伝子多型 / 遺伝子異変 / 発現制御 |
Research Abstract |
レポーター遺伝子を使ったin vitroの系を用い、プロモーター遺伝子多型のアポA-Iの発現量に対する影響を比較した。高脂血症治療薬のうちアポA-Iの発現に影響を及ぼすフィブラート系薬剤とスタチン製剤の遺伝子多型による効果の違いを比較検討した。[方法]プロモーター領域解析用ベクター作製:apoAIプロモーター領域-333〜+119をPCR法で増幅し、野生型、-75A、-75A+TATA box変異プロモーターを得た。TATA box単独変異プロモーターは、Mutan K法により作製。pGL3-basic vectorに挿入しレポーター・ベクターとし、HepG2細胞にリポフェクチン法にてレポーター・ベクター(1μg/35mm culture dish)をtransient transfectionさせた。このHepG細胞を4時間後に洗浄し、種々の薬物存在下、DMEM中でさらに40時間培養し、luciferase活性を比較検討した。[結果]野生型プロモーターに比べ、アポA-I発現率は、-75Aで39%、TATA box単独変異で42%、-75A+TATA box変異で24%に低下していた。200μMフェノフィブラートの投与により、野生型、-75A、TATA box単独変異、-75A+TATA box変異プロモーターの発現率はそれぞれ186%、135%、141%、113%増加した。0.75μMピタバスタチンは、野生型、-75A、TATA box単独変異、-75A+TATA box変異プロモーターの発現率をそれぞれ21%、23%、26%、33%増加させた。[結語]フェノフィブラート、ピタバスタチンともに野生型のみでなく変異プロモーターの発現率も増加させた。
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