2002 Fiscal Year Annual Research Report
機能的に多様なRXRリガンドの創製とその抗糖尿病作用の解析
Project/Area Number |
14571118
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
佐藤 真友美 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (50124459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陰近 弘之 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (20177348)
矢島 由紀子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (60090114)
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Keywords | 糖尿病 / 核内受容体 / RXR / 脂肪細胞 / PPARγ / アンタゴニスト / 生活習慣病 |
Research Abstract |
脂肪細胞の機能不全はII型糖尿病(生活習慣病)を引き起こす。脂肪細胞の分化や機能維持に必須の受容体型転写因子であるPPARγのリガンドはII型糖尿病の治療薬である。PPARγが作用する時は、ヘテロダイマーパートナーとしてRXR (retinoid X receptor)を必要とする。このRXRもリガンド依存性の受容体型転写因子であり生体内のリガンドは不明である。RXRの機能解明のために特異的アゴニストとアンタゴニストを創製した。これらのRXRアゴニストにはPPARγアゴニストの活性を10倍増強する作用がある事を見い出し、RXRアゴニストも糖尿病治療薬として有望である事を明らかにした。アンタゴニストのPA451,PA452,HX531はRXR-PPARγに対してはPPARγ応答領域に対する転写活性化能と脂肪細胞の分化への作用においてPPARγのアゴニストと相加的に作用した。一方HL-60細胞におけるRXR-RARを介した分化誘導に関しては、これらのRXRアンタゴニストはRXRリガンドを拮抗阻害することで、分化を阻害する。このようなRXRアンタゴニストの作用がヘテロダイマーパートナーにより相反する機構を調べるために、PPARγのリガンド結合部分をRARに変えたキメラ受容体を作成した。このキメラ受容体はt-レチノイン酸でPPARγ応答領域を活性化するようになり、RXRアンタゴニストでその作用が阻害されるように変化した。これらの結果より、RXRアンタゴニストが、アゴニスト的に作用したり、アンタゴニスト的に作用したりする現象にはパートナーのリガンド結合部分が関与している事が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sato, M., Tai, T., Nunoura, Y., Yajima, Y., Kawashima, S., Tanaka: "Dehydrotrametenolic Acid Induces Preadipocyte Differentiation and Sensitizes Animal Models of Noninsulin-Dependent Diabetes Mellitus to Insulin"Biol. Pharm. Bull. 25. 81-86 (2002)
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[Publications] Aoki, K., Watanabe, K., Sato M., Ikekita, M., Hakamatsuk, T.: "Effects of rhizoxin, a microbial angiogenesis inhibitor, on angiogenic endothelial cell functions"Eur. J. Pharmaco. 17. 131-138 (2003)
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[Publications] 矢島由紀子, 佐藤真友美, 川島誠一: "脂肪細胞の分化とその機能におけるカルパインの役割"内分泌・糖尿病科. (印刷中).
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[Publications] Yukiko Yajima, Mayumi Sato, M.Sumida, Seiichi Kawashima: "Mechanism of adult primitive mesenchymal ST-13 preadipocyte differentiation"Endocrinology. (印刷中).
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[Publications] Shindo T, Manabe I, Fukushima Y, TobeK, AizawaK,, et al.: "Kruppel-like zinc-finger transcription factor KLP5/BTEB2 is a target for angiotensin II signaling and an essential regulator of cardiovascular remodeling"Nat Med. 8(8). 856-863 (2002)
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[Publications] Takahashi B, Ohta K, Kawachi E, Fukasawa H. et al.: "Novel retinoid X receptor antagonists: specific inhibition of retinoid synergism in RXR-RAR heterodimer actions"J Med Chem. 45(16). 3327-3330 (2002)