2003 Fiscal Year Annual Research Report
ATAC-PCR法による定量的遺伝子発現網羅解析の消化器癌臨床への応用
Project/Area Number |
14571138
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 浩文 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30322184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門田 守人 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00127309)
池田 正孝 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80335356)
関本 貢嗣 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10273658)
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Keywords | Key word / ATAC-PCR / 網羅解析 / 遺伝子発現 / 消化器癌 |
Research Abstract |
(目的) ATAC-PCR(Adaptor-tagged competitive PCR)は従来の定量的PCRに必要であった内部標準や標準曲線の作成といった煩雑な過程が不要であり、共通配列を持ち長さの異なるアダプターを用いることで一度に7種類のサンプル間で遺伝子の発現量比を求めることができる。現在、1日当たり7種類のサンプル間で1152遺伝子について発現量比を求めることができ、cDNA microarryに匹敵する網羅的遺伝子発現解析に応用可能である。またcDNA microarrayと異なりPCRを基本原理としているため特異性についての信頼性が高まり,遺伝子の発現自体が少ない場合でも発現量比を正確に測定できるという特性をもっているために,data pointを十分に生かした解析が可能である。さらに臨床応用上有利な特徴として微量サンプルで検査が可能である。本研究の目的は,臨床の現場で診断・治療に応用できるシステムを確立することである。 (予定と結果) 1.大腸癌200例を用いてATAC-PCR法による定量的遺伝子発現解析を行い,異時性肝転移予測,予後に焦点を当てた解析を計画した。結果として,予後予測に関連する遺伝子セットを抽出でき,論文として報告した。 2.食道癌200例についてATAC-PCR法を用いて網羅的遺伝子発現解析を行い、長期予後、リンパ節転移、遠隔転移、抗癌剤,放射線療法への感受性と関連の深い遺伝子群を同定する。このうち,リンパ節転移に関連する遺伝子群を同定することができ,現在論文化の作業を行っている。 3.肝癌150例についてATAC-PCR法を用いて網羅的遺伝子発現解析を行い,早期再発,生存予後,進行肝癌の性質に関連する遺伝子群の同定による治療標的の抽出を行なう。結果として,予後予測に関連する遺伝子セットを抽出でき,論文として報告した。
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[Publications] Muro S, Yamamoto H, et al.: "Identification of expressed genes linked to malignancy of human colorectal carcinoma by parametric clustering of quantitative expression data"Genome Biol. 4(3). R21 (2003)
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[Publications] Kurokawa Y, Monden M. et al.: "Molecular features of non-B, non-C hepatocellular carcinoma : a PCR-array gene expression profiling study"J Hepatol.. 39(6). 1004-1012 (2003)