2002 Fiscal Year Annual Research Report
DDR1を介したコラーゲンによる細胞分化調節機構の解析
Project/Area Number |
14571147
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
石河 隆敏 熊本大学, 医学部, 助手 (00343351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 道雄 熊本大学, 医学部, 教授 (30028691)
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Keywords | DDR1 / コラーゲン / 細胞内シグナル |
Research Abstract |
好中球、単球系に発現するチロシンキナーゼ型のレセプターのDDR1(Discoidin Domain Receptor)機能解析とシグナル伝達系路の解析を行っている。 1 DDR1がそのリガンドであるコラーゲンとの結合によりリン酸化され、細胞内のMMP1を活性化することが認められており、DDR1刺激に際する細胞内シグナル伝達系路の解析中である。コラーゲン刺激前後の末梢単核球(PBMC)のウエスタンブロッテイングをおこない、リン酸化蛋白に対する抗体で細胞内蛋白のリン酸化状態を検討した。この結果、分子量90kDa付近の蛋白に刺激後に明らかに強いチロシン残基のリン酸化が認められた。この蛋白の候補として、Pl3 kinaseの調節ユニット(85kD)やribosomal S6 kinase(92kD)、PKC等の既存のキナーゼを考慮し、その関連性について免疫沈降法を使って検討した。しかし、いずれの蛋白にも該当しなかった。このためこの90kDaの蛋白に対し、SDS-PAGEによるアミノ酸シークエンスの解析中である。 2 DDR1の発現は癌細胞にも認められ、腫瘍と細胞外基質との反応に介在し、増殖や転移に関与する可能性も示唆されている。そこで発現豊富な癌細胞株をRT-PCRにて検討した、その結果、乳癌細胞株のひとつであるMCF-7においてDDR1の高い発現を恒常的に認めた。DDR1の癌細胞増殖や接着能に対する影響を検討するため、MCF-7におけるDDR1発現を遺伝子的に調節する目的で、まずDDR1の機能欠如型の遺伝子を作成し、プラスミドでクローニングすることに成功した。現在このDDR1機能欠如型の遺伝子をベクターに入れてMCF-7に導入し、選択培養中である。この癌細胞株で増殖能や接着因子等について検討する予定である。
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