2002 Fiscal Year Annual Research Report
生体肝移殖における、映像媒体を用いた、患者教育改善のための臨床的研究
Project/Area Number |
14571148
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
猪股 裕紀洋 熊本大学, 医学部, 教授 (50193628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡島 英明 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (20308604)
阿曽沼 克弘 熊本大学, 医学部, 助教授 (40202626)
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Keywords | 肝移植 / 患者教育 / ビデオテープ / 服薬指導 / 退院指導 / 周術期管理 |
Research Abstract |
生体肝移植は、ほかの医療と異なり、特にドナー選定において自発意志が重要であるが、候補者が医療者にその実施を依頼する上で、手術の内容、周術期の管理がどのようなものであるかを具体的に知ることが重要である。また、この治療は他の治療ほど未だ多くの人に周知されているものではないため、謝った情報や誤解に基づいて手術や術後ケアに遭遇し、混乱をきたすことが、ドナー、レシピエント双方に見られている。この理解を促すため、ドナー、レシピエントの術前管理、手術内容、術後の集中治療室管理、免疫抑制剤を中心とした服薬指導、退院前に行われる日常生活上の注意、などを含めた総合的患者教育用ビデオを作成し、口頭では伝わりにくい具体的情報を映像媒体による補助を加えて伝える試みを行いつつある。 現在、手術から術後の集中治療室に至る部分と、服薬指導の部分が作成され、補助金にて購入したプロジェクターを病棟へ持参して、カンファレンスルームにて個別患者に提示してその認識度を解析しているところである。既実施者がまだ3名と少数であるため、その客観的評価は困難であるが、実施前まで、成人患者では高率に生じていた集中治療室における術後拘禁症状がほとんど見られなくなり、想像と不安から来る精神的ストレスを軽減することに意義があるものと判断している。また、ドナー手術の提示は未完成であるが、ドナーが、周術期のレシピエントケアに関する理解を共に深めることで、臓器提供意義を再認識し、レシピエントに共感をもって手術に臨むことができるという感想も得ている。次年度は、さらにビデオ内容を充実するとともに、供覧者を増やして、内容の改良や、実施効果の客観的評価を行う予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 中山善晴, 門田正貴, 荒川昭彦, 山下康行, 猪股裕紀洋: "生体肝移植に役立つ3D画像"消化器画像. 4. 153-158 (2002)
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[Publications] Ando Y, Terazaki H, Haraoka K, Tajiri T, Nakamura M, Obayashi K, Misumi S, Shoji S, Hata K, Nakagawa K, Ishizaki T, Uemoto S, Inomata Y, Tanaka K, Okabe H.: "Presence of autoantibody against ATTR Val 3OMet after sequential liver transplantation"Transplantation. 73. 751-755 (2002)
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[Publications] Ishiko T, Egawa H, Kasahara M, Nakamura T, Oike F, Kaihara S, Kiuchi T, Uemoto S, Inomata Y, Tanaka K: "Duct-to-duct biliary reconstruction in living donor liver transplantation utilizing right lobe graft"Annal Surg. 236. 235-240 (2002)
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[Publications] Kohsaka Y, Yuan ZR, Guo SX, Tagawa M, Nakakmura A, Nakano M, Kawasaki H, Inomata Y, Tanaka K, Miyauchi J.: "The significance of human jagged 1 mutations detected in severe cases of extrahepatic biliary atresia"Hepatology. 36. 904-912 (2002)
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[Publications] Takeichi T, Asonuma K, Kim I, Inomata Y, Kasahara M, Ohwada S, Morishita Y, Tanaka K.: "Compressed spectral arrays of patients with fulminant hepatic failure in hepatic coma undergoing liver transplantation"Clin Transplant. 16. 273-279 (2002)
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[Publications] Shiga S, Fujimoto H, Mori Y, Sakata T, Hamaguchi Y, W Nag FS, Inomata Y, Tohyama K, Ichiyama S.: "Immature ranulocyte count after liver transplantation"Clin Chem Lab Med. 40. 775-780 (2002)
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[Publications] 京都大学医学研究科外科学教室編集: "外科研修マニュアル"南江堂、東京. 670 (2002)