2004 Fiscal Year Annual Research Report
小腸粘膜上皮細胞におけるEGFのシグナル伝達経路の解明
Project/Area Number |
14571164
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 正人 関西医科大学, 医学部, 助手 (30278626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 吉則 関西医科大学, 医学部, 助教授 (00172982)
奥村 忠芳 (奥村 忠義) 関西医科大学, 医学部, 助教授 (80113140)
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Keywords | EGF / small intestine / Nitric oxide / NF-κB |
Research Abstract |
ラット小腸上皮細胞(IEC6)において上皮成長因子(EGF)は炎症性サイトカイン(IL-1β)の存在下inducible NO synthase (iNOS)の転写レベルに働いて一酸化窒素(NO)産生を促進する。また、iNOSプロモーター領域にbindingするNF-κBの核内移行をgel sift assayで解析した結果、IL-1β単独でもNF-κBは核内へ移行するが、EGFの投与がない限りiNOS/iNOS mRNAの産生がおこらない。このEGFのiNOS誘導効果のシグナルを解析すると、EGFレセプターの下流の主にphosphatidylinositol 3-kinase (PI3K)のシグナルが深く関与していることが示唆された。さらにタイプ1インターロイキン1レセプター(IL-1R1)はEGFにより増幅されており、さらにこれらは単にIL-1βの効果を増幅するのでなく、EGFレセプターの下流のシグナルに関わっている可能性が示唆されている。 本年度は特にPI3Kの下流のAktに着目した。免疫沈降抗体法によるIP-Western法ではAktはEGFによりリン酸化をうけて活性化する。EGFによる活性化はPI3Kの阻害剤であるLY294002と、EGFRの阻害剤であるTyrphostinA25においてもNOと同様に阻害され、Aktのリン酸化がNO産生に関与していることがわかった。またAktのリン酸化による活性化は2峰性を示し、最初の活性化(約30分)の後にIL-1R1の増幅がおこりその後にAktの再活性化(約10時間)が起きることがわかった。NOのmRNAの合成はこの時期に増幅されている。これらの結果から、Aktの活性化は直接NO産生に関与しているものと、IL-1Rの増幅により再度活性化してNO産生に関与しているものと2系統があり、これらが協調したときにはじめてNO産生の増幅がおこることが示唆された.
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Research Products
(3 results)