2003 Fiscal Year Annual Research Report
肝温虚血再潅流におけるpreconditioningのメカニズムについて
Project/Area Number |
14571202
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Research Institution | KAGAWA UNIVERSITY(FACULTY OF MEDICINE) |
Principal Investigator |
出石 邦彦 香川大学, 医学部, 助手 (50325346)
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Keywords | preconditioning / Akt / PI13-kinase / apoptosis / 肝温虚血再潅流障害 |
Research Abstract |
Balb/Cマウスを用い、虚血(90分間温虚血)再潅流時におけるpreconditioning(10分間温虚血、10分間再潅流)の肝保護作用とリン酸化Aktの関係を検討したところ、preconditioningにより、再潅流直後からAktの著しい活性化が起こり、Aktリン酸化阻害剤投与により生存率からみたpreconditioningの肝保護作用が消失することが判明した。この研究をさらに詳しく検討するために、虚血再潅流後の血清、肝組織(HE染色)を行い、肝臓障害を血清酵素学的(GPT)、病理学的(肝壊死)について調べたところ、IP群(preconditioning群)ではI群(preconditioningを行わなかった群)に比べ著しく肝障害が軽減されていた。これの肝保護作用は、IP群にWortmannin投与するより消失することがわかった。in vitroで確認するため、HepG2(肝臓由来癌細胞)を用いて検討した。まず、密閉されたチャンバー内の酸素を95%窒素5%二酸化炭素で満たし無酸素状態を作り、無酸素、無グルコースにした培養液に入れ替えることで、虚血状態とした。Preconditioningは、正常培養液から無酸素、無グルコース培養液に交換した後、正常培養液にもどすことで培養細胞上つくり出したが、瀕回なPBS洗浄と培養液の交換のための細胞障害の方が強く、培養細胞上では有意なpreconditioningは認めなかった。しかしながら、虚血状態におけるリン酸化Aktの役割を調べるためにdominant active Akt1、dominant negative Akt1をtransfectionした場合、dominant active Akt1をtransfectionしたHepG2では培養細胞の虚血再潅流に対する耐性を獲得することが判明した。
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