2004 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌の浸潤転移機構に関与するチミジンホスホリラーゼとムチン遺伝子発現の解析
Project/Area Number |
14571212
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
夏越 祥次 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70237577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 尊身 鹿児島大学, 生命科学資源開発研究センター, 教授 (80171411)
秋山 伸一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60117413)
米澤 傑 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10175002)
愛甲 孝 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60117471)
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Keywords | リンパ節微小転移 / 膵癌 / リンパ節郭清 / 血管新生因子 / VEGF-C / VEGF-D |
Research Abstract |
1.膵癌におけるリンパ節微小転移の検討 膵癌切除症例を用い通常の組織診断に加え,微小転移について検討した.微小転移転移のマッピングを作製し,その分布状況を解析した.第1群の膵頭部周囲リンパ節は高率のリンパ節転移および微小転移転移が存在した.組織診断で微小転移が認められなかったpN0症例にも微小転移は認められ,1群リンパ節転移陰性,2群陽性の症例も認められた.1群リンパ節転移陽性例には第3群の大動脈周囲リンパ節微小転移例も認められた.膵癌では微小転移は高率に存在するが,臨床的意義については今後多数例で解析する必要がある.また,1群転移陽性例に対する3群までの郭清の意義についても今後検討が必要と考えられた. 2.膵癌における血管新生因子VEGFの発現 膵頭部浸潤性膵管癌根治切除58例を対象として原発巣と転移陽性リンパ節に対してVEGF-CおよびVEGF-D抗体による免疫組織学的検討を行った.原発巣は辺縁部と中心部を観察し,25%以上の染色を高発現,それ未満を低発現とした.VEGF-C, VEGF-Dともに辺縁部は中心部に比べ有意に高発現を呈した(59% vs. 39%,45% vs. 26%).転移陽性リンパ節はVEGF-C, VEGF-D高発現例が各々91%と73%で原発巣より有意に発現が高度であった.辺縁部でVEGF高発現群例はリンパ節転移,リンパ管侵襲が有意に高率であった.辺縁部でVEGF-C, VEGF-D高発現群は低発現群に比べ有意に予後不良であった(7% vs. 30%,5.7% vs. 24.7%).膵癌原発巣周辺部のVEGF-C, VEGF-Dの発現はリンパ節転移と相関し,リンパ管新生の因子の発現は予後にも重要な因子と考えられた.今後生検標本を用いたリンパ節転移の術前予測や術後の補助療法の選択に有用になると考えられた.
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Research Products
(5 results)