2002 Fiscal Year Annual Research Report
Barrett食道癌の早期診断および低侵襲性治療に関する研究
Project/Area Number |
14571232
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
幕内 博康 東海大学, 医学部, 教授 (80095645)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 英雄 東海大学, 医学部, 講師 (40206173)
|
Keywords | Barrett食道癌 / Barrett食道 / Barrett粘膜 / 内視鏡診断 / 柵状血管網 / 円柱上皮 / 腸上皮化生 / short segment Barrett's esophagus |
Research Abstract |
A.Barrett食道の構造の検討 Barrett食道には食道扁平上皮に代わりに不完全型腸上皮化生を伴う円柱上皮が粘膜固有層、粘膜筋板とともに存在している。その下には従来の食道粘膜固有層、粘膜筋板、粘膜下層と食道固有腺があり、食道固有筋層、食道外膜となる。それゆえ、表層の粘膜筋板をmm1、従来の粘膜筋板をmm2として、mm1までを深達度m1、それ以深は従来とおり粘膜固有層をm2、mm2をm3、粘膜下層をsm1、sm2、sm3とすることとした。89例のBarrett食道癌の検討では、脈管侵襲はm3から、リンパ節転移はsm2から出現し、これらの深達度分類はBarrett食道癌病態を表すのに有用であった。 B.Barrett粘膜、Barrett食道癌の内視鏡診断 Barrett粘膜、とくにshort segment Barrett's esophagus (SSBE)を診断するにあたっては、食道と胃の境界を明らかにする必要がある。内視鏡観察で食道入口部と食道下端には縦走する柵状血管網が存在する。それは食道上端下端には、括約機構が存在し、通常は締まっていて逆流を防止している、嚥下運動により緩んで開大するわけで、通常締まっているその部は血行を保つために粘膜下層の太い血管が細く分かれて粘膜固有層を通る。それ故、粘膜固有層の柵状血管網の下端を食道胃接合部としてよいと判断された。 Barrett食道の発生原因は胃食道逆流(GER)によるcreepingといわれている。しかし、その発生母地はっきりせず、esophageal cardiac glandの関与が疑われる。 癌のサーベイランスにはメチレンブルーよりインジゴカルミン染色の方が有用であった。また、拡大内視鏡観察も試みているが、粘膜癌の確定診断は困難である。さらに、生検診断も分化型のものが多いためdysplasiaとされるものも少なくない。詳細な内視鏡観察が基本であるが、long Barrett'sでは容易ではない。これは内視鏡的粘膜切除術(EMR)の適応においても同様である。
|
Research Products
(1 results)