2002 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌に対するradioimmunoguided surgeryの実用化に向けて
Project/Area Number |
14571234
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
吉田 和彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (90191577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 秀一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80287284)
三澤 健之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50260956)
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Keywords | 大腸癌 / 肝転移 / モノクローナル抗体 / radioimmunoguided surgery |
Research Abstract |
平成14年度は以下の研究を行い、成果を得た。 HT-29LMM株に特異的なmAb H-15を用いた。MAb H-15は米国Memorial Sloan-Kettering Cancer Centerより供与を受けたマウスIgG1クラスに属するmAbで、細胞表面糖蛋白(200kd)に反応する。Mab H-15をchloramine-T法でI-125を標識した。 また米国MD Anderson Cancer Centerから供与されたヒト大腸癌株,HT-29LMM、HCC-M1410、HCC-M1544の3株の単離細胞浮遊液(10^7個/200μl)を生後3〜4週のBALB/c雌ヌードマウス(マウス)の側腹部の皮下に移植した。HT-29LMMは移植後約2週間でほぼ100%のマウスに最大径約5mm大の皮下腫瘍が出現したが、HCC-M1410とHCC-M1544を移植した後の腫瘍の生育が悪く、本実験にはHT-29LMMの移植による皮下腫瘍を使用することにした。 皮下内移植1週間後に、マウス1匹あたり、40μCi/4μgのI-125を標識したmAbH-15(0.5ml)を静脈内に注入した。指向性の高い術中操作用gamma detecting probe(GDP)であるNavigatorを体外から当て、心臓領域(前胸部)をblood backgroudとし、皮下腫瘍の放射能を連日7日間測定した。測定時間は10秒とし、皮下腫瘍(側腹部)の測定値(count/10 seconds)を心臓領域のそれで除した皮下腫瘍(側腹部):心臓領域比を計算した。一方で、連日5匹をsacrificeし、血液と腫瘍の放射能をin vitroで測定し、血液:腫瘍比を計算した。 皮下腫瘍(側腹部):心臓領域比は、投与1日目(1.9:1)、2日目(2.3:1)、3日目(2.5:1)、4日目(3.1:1)、5日目(3.3:1)、6日目(4.9:1)、7日目(5.7:1)まで、増大傾向が認められた。また、血液:腫瘍比は投与1日目(3.5:1)、2日目(7.5:1)、3日目(11.5:1)、4日目(18.4:1)、5日目(21.9:1)、6日目(25.3:1)、7日目(29.5:1)まで、同様に増大傾向が認められた。 本年度の研究により、in vivoの実験に適した細胞株が選択でき、またGDPを用いた測定手技の標準化が得られた。
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