2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571236
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
土谷 まり子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00266826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河原 久子 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (10075468)
土谷 健 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00246472)
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Keywords | pancreatis β cell / Insulin / GLP-1 / PDX-1 / porcine / Glucose Response |
Research Abstract |
ブタ膵内分泌細胞の生物学的背景や機能保持メカニズムの情報の一つとして、腸管由来のペプタイドであるGLP-1の、ブタ膵内分泌細胞のインスリン分泌、細胞増殖に及ぼす影響について検討した。 ブタ膵内分泌細胞について、通常の培養に10nM GLP-1添加を行いインスリン基礎分泌の測定と、20mM D-glucoseおよび50mM KC1負荷試験によるインスリン反応性を検討した。また0.1%BrdU(5-bromo 2'-deoxyuridine)添加培養し、培養膵内分泌細胞を抗インスリン抗体(guineapig anti-insulin)とマウス抗BrdU抗体を用いて二重染色した後、細胞総数1000個における膵内分泌細胞中のBrdU染色陽性細胞の割合を測定し、細胞増殖を評価した。インスリン基礎分泌は15日目に対照群で80.3±10.5%に低下していたのに対し、GLP-1群では91.3±12.6%の低下にとどまった。また、インスリン反応性は、高濃度グルコース負荷でGLP-1群が0.62±0.18→1.74±0.28ng/mL、KC1負荷でGLP-1群が0.62±0.18→1.42±0.42ng/mLとインスリン分泌反応の増大傾向を認めた。BrdU染色陽性の膵内分泌細胞は15日目で6.448±0.397% vs 9.179±.850%(P<0.05)と12日目以降に有意に細胞分裂の促進を認めた。以上よりブタ膵内分泌細胞において、GLP-1は経時的なインスリンの基礎分泌の低下を抑制し、膵内分泌細胞の増殖作用がみとめられ、GLP-1は成熟ブタ膵内分泌細胞の短期間の培養系で機能保持に有効であった。Real time PCRではGLP-1群でPDX-1、インスリンのmRNAがそれぞれ1.4倍、1.3倍と増加を認めており、GLP-1の膵β細胞に対する細胞増殖作用はPDXlの誘導を介することが示唆された。
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