2002 Fiscal Year Annual Research Report
MRSAとE.coliの混合感染におけるエンテロトキシンおよびエンドトキシン産生性の規定遺伝子解析による多臓器不全の初期治療の可能性に関する基礎的検討
Project/Area Number |
14571237
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
炭山 嘉伸 東邦大学, 医学部, 教授 (10057648)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 祐一 東邦大学, 医学部, 助手 (10318298)
有馬 陽一 東邦大学, 医学部, 助手 (50277290)
草地 信也 東邦大学, 医学部, 助教授 (70169978)
中村 陽一 東邦大学, 医学部, 助手 (10349904)
田中 英則 東邦大学, 医学部, 助手 (80307735)
|
Keywords | MRSA / エンテロトキシン / E.coli / エンドトキシ / 内因性感染 / 敗血症 / マウスモデル / 多臓器不全 |
Research Abstract |
従来当科で用いてきた術後MRSA感染に関する動物実験モデルは、開腹術後の感染モデルであり、今回の研究目的である、異なる病原因子をもつMRSAの菌株間における毒性の強さを検討するためには、比較的簡便で宿主側因子の影響の少ない新たなモデルが必要と考えた。そこで、初年度に当たる今年度は、MRSAによる致死的な内因性感染マウスモデルを作成した。そして、異なる病原因子を持つ数種のMRSA臨床分離株を本モデルに用い、生存率、血液・各臓器内・便中の菌数および菌種、血清および肝ホモジネート上清中のサイトカイン値の測定を行った。その結果、死亡前の重篤な状態のマウスにおいて、各臓器からMRSAが培養され、本モデルではMRSAによる内因性敗血症、多臓器不全が生じていると考えられた。また、異なる病原因子を持つMRSA菌株間で生存率に差が有ることを認めた。これらのMRSAにおいては、エンテロトキシンおよびTSST-1の産生性に差を認めた。また、本モデルにおいて、使用する抗菌薬の種類を変更することで生存率に差が生じること、またその際にMRSA、E.coli、その他の菌種の臓器内菌数に差が有ることを確認した。今後は、今回用いたMRSA株から、前述した病原因子の遺伝子欠損株を作成し、生存率、臓器内菌数などについて検討を行う予定である。
|