2003 Fiscal Year Annual Research Report
MRSAとE.coliの混合感染におけるエンテロトキシン及びエンドトキシン産生性の規程遺伝子解析による多臓器不全の初期治療の可能性に関する基礎検討
Project/Area Number |
14571237
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
炭山 嘉伸 東邦大学, 医学部, 教授 (10057648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 祐一 東邦大学, 医学部, 助手 (10318298)
有馬 陽一 東邦大学, 医学部, 助手 (50277290)
草地 信也 東邦大学, 医学部, 助教授 (70169978)
中村 陽一 東邦大学, 医学部, 助手 (10349904)
田中 英則 東邦大学, 医学部, 助手 (80307735)
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Keywords | MRSA / 大腸癌 / E.coil / エンドトキシ / 内因性感染 / 敗血症 / マウスモデル / 多臓器不全 |
Research Abstract |
前年度までに、マウスMRSA内因性敗血症モデルを作成した。本モデルの概要は以下の通り。マウスはbalb/cマウス、メス・8週齢を使用。本マウスに臨床分離株であるMRSA strain334を1回10^9cfu/mouseで実験開始から連続4日間経口投与。Bacterial translocationを起こさせる目的で、第1日・第4日・第7日にCyclophosphamide 250mg/kgを腹腔内投与。また、腸内細菌叢をかく乱する目的で、第1日よりCeftazidime 40mg/kgを皮内投与した。本モデルでは第8日ごろよりマウスの死亡が確認され、最終的なマウスの死亡率はおよそ20〜45%であった。本モデルでは死亡直前の重篤な状態では肝、脾、腸間膜リンパ節、肺、腎の各臓器からMRSAが検出され、血液からも検出された。本年度は本モデルを用い、使用する抗生物質の種類による死亡率の差について検討した。当初使用したCeftazidime(CAZ)40mg/kgをampicillin(ABPC)40mg/kgに変更して実験したところ、ABPC群では死亡率がおよそ60〜100%とCAZ群に比べ有意に上昇した。ABPC群の臓器内菌数の検討では、MRSAの生菌数は両群で差は見られなかったが、ABPC群で大腸菌の陽性率が有意に高く、また血清エンドトキシン量は後者で有意に上昇していた。このことから、MRSA内因性敗血症において、本症が重篤化する因子のひとつとして大腸菌の関与が考えられた。 今後は本モデルを用い、本症重篤化の因子を宿主側、菌側から検討する予定である。
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