2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571260
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
秋田 利明 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (30167837)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 兼房 愛知県身体障害者コロニー, 発達障害研究所, 所長 (50022801)
上田 裕一 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80314011)
碓氷 章彦 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30283443)
仙波 りつ子 愛知県身体障害者コロニー, 発達障害研究所, 室長 (80100163)
|
Keywords | 脳保護法 / 神経栄養因子 / 心臓手術 / 脳障害 |
Research Abstract |
神経栄養因子はニューロンの細胞機能の維持および種々の障害要因に対抗する生体防御物質で、脳神経系の障害や修復と関連して分泌されている。われわれは神経栄養因子のうち、ニューロンの保護作用が最も強い脳由来神経栄養因子(Brain derived neurotrophic factor, BDNF)に注日し、内因性BDNFを用いた脳神経保護法の開発をめざしている。 平成15年度は、内因性BDNFの誘導方法の確立および誘導されたBDNFによる脳神経保護作用の証明を行った。 本年度は大動物(ブタ)における内因性BDNFの発現を観察した。BDNF誘導薬剤としてL型電位依存性カルシウムチャンネル活性剤BAY-K8644を投与し、薬剤の安全性を観察した。薬剤投与により一過性の痙攣、不随意運動を観察したが、神経学的変化の遺残は認めなかった。翌日、犠牲死させ、脳組織内BDNF濃度の推移および脳内における組織BDNF濃度の局在をenzyme immunoassay (EIA)法を用い観察した。 脳組織内BDNF濃度はBAY-K8644投与翌日に有意な上昇を示していた。BDNF濃度の脳内局在は海馬を中心に著明な局在が観察された。 大動物(ブタ)における内因性BDNFの脳保護効果を観察するために、20分間の全身循環遮断モデルを作成した。上行大動脈-右房シャントを作成し、心拍動下に両大静脈遮断、上行大動脈遮断を行い、循環停止モデルを作成した。 現在、内因性BDNFを誘発したブタにおいて、循環停止実験を試行している。
|