2003 Fiscal Year Annual Research Report
虚血再灌流時の移植肺におけるERK上昇の機序とその意義についての検討
Project/Area Number |
14571268
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Research Institution | THE University of Tokushima |
Principal Investigator |
先山 正二 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60291986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 孝典 徳島大学, 医学部, 助手 (20346612)
近藤 和也 徳島大学, 医学部, 講師 (10263815)
門田 康正 徳島大学, 医学部, 教授 (60028628)
監崎 孝一郎 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (70325265)
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Keywords | lung transplantation / reperfusion / ischemia-reperfusion / preservation / protein tyrosine phosphorylation / mitogen-activated protein kinase / ERK |
Research Abstract |
1.ラット肺移植における検討 臨床肺移植における虚血再潅流時においてはprotein tyrosine phosphorylation急激な変化が認められる。ラットの片肺移植モデル(LEW to LEW, LEW to BN)においてもこのような変化が認められるかどうかを検討した。6時間後の冷保存(low-potassium dextraglucose,4℃)後に移植を行った。Isograftとallograftにおいて,移植後の肺機能は良く保たれていた。虚血再潅流後2時間でprotein tyrosineのリン酸化,protein tyrosine kinaseとprotein tyrosine phosphatase活性は減少していた。Src蛋白発現とp38 MAPKのリン化の程度は低下していた。このラット肺移植モデルは肺の虚血再潅流の研究に有用である。 2.臨床肺移植検体におけるMAPK活性の検討 トロントジェネラル病院における肺移植症例のサンプルを用いて,肺保存,虚血再潅流時のMAPKのリン酸化状態(活性化)を検討した。15検体について,冷保存終了後,温阻血終了時,虚血再潅流後1時間および2時間後について検討した。ERK,p38-MAPK,JNKおよびMEKのリン酸化状態をウエスタンブロットにより検討した。ERKのリン酸化状態は虚血再潅流後2時間で劇的に増加した。JNKのリン酸化もその増加の程度は低いが増加を認めた。一方,p38のリン酸化においては有意な変化は認めなかった。ERKの活性化は,ERKの上流酵素であるMEKの活性化とは関連性を示さなかった。これらの結果はERKの上昇は単にMEKの活性化にはよらないことを示している。MKP-3は特異的にERKのdeactivateをもたらすとされている。また,MKP-3の蛋白発現はその酵素活性と対応しているとされる。そこで,MKP-3の蛋白発現を検討したところ,MKP-3蛋白発現は虚血再潅流後有意に増加していた。従って,ERK活性化の上昇はMKP-3蛋白発現によるものではないと考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takehisa Y, Sakiyama S他: "Progressive increase of CD4(+)/CD45RC(-) lymphocytes after allograft rat lung transplantation : a marker of acute rejection"J Thorac Cardiovasc Surg. 124・4. 675-683 (2002)
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[Publications] Sakiyama S 他: "Ischemia-reperfusion decreases protein tyrosine phosphorylation and p38 mitogen-activated protein kinase phosphorylation in rat lung transplants"J Heart Lung Transplant. 22・3. 338-346 (2003)