2003 Fiscal Year Annual Research Report
加齢による虚血耐性の変化と細胞周期制御蛋白の関与についての基礎的研究
Project/Area Number |
14571288
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
中井 康成 大阪医科大学, 医学部, 助手 (10360869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀本 仁士 大阪医科大学, 医学部, 助手 (70247849)
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Keywords | 細胞周期 / 虚血耐性 / 加齢 / 左室unloading |
Research Abstract |
【方法】 1)8週齢および40週齢SDラットを全身麻酔、呼吸管理下に、開胸し、冠動脈前下行枝を結紮、閉胸した。 2)1)で作成したラットの心臓を3日、1週間、2週間、4週間後にそれぞれ摘出し、RT-PCR法にてcyclin D1,cyclin D2,cyclin D3,Cdk2,Cdk4,Cdk6,PCNA mRNAの経時的変化を測定した。 3)1)で作成した梗塞2週間後の心不全ラット(ドナー)の心臓を摘出し、別のラット(レシピエント)を全身麻酔下に開腹、摘出心の大動脈とレシピエントの腹部大動脈、摘出心の肺動脈とレシピエントの下大静脈をそれぞれ吻合し、左室unloadingを2週間行った。 4)2週間の左室unloadingの後、摘出し、RT-PCR法にてcyclin D1,cyclin D2,cyclin D3,Cdk2,Cdk4,Cdk6,PCNA mRNAを測定した。 5)対照群として、開胸及び、閉胸のみを行ったsham手術群の心臓を4週間放置後に摘出し、RT-PCR法にてcyclin D1,cyclin D2,cyclin D3,Cdk2,Cdk4,Cdk6,PCNA mRNAを測定した。 【結果】 <RT-PCR> 1)8週齢ラットでは心筋梗塞後3日目にPCNA,CDK4mRNAが有意に上昇し、1週間後に一旦下降し、2週間後に再度ピーク値を示した。 2)40週齢ラットでは心筋梗塞後、全ての指標で有意な変化を認めなかった。 <左室unloadingの効果> 1)8週齢ラットでは心筋梗塞2週間後の左室unloadingにて統計学的有意差はなかったた、PCNAmRNAが下降する傾向を示した。 2)40週齢SDラットでは左室unloadingにて全ての指標で有意な変化を認めなかった。 【結語】 左室unloadingによる一部細胞周期制御蛋白の変化は加齢により抑制される可能性が示唆された。
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