2002 Fiscal Year Annual Research Report
脳磁図、fMRI、PETによる言語、高次脳機能の統合的解析-脳外科治療への展開-
Project/Area Number |
14571296
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
溝井 和夫 秋田大学, 医学部, 教授 (70157519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹嶋 寿郎 秋田大学, 医学部, 講師 (40235289)
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Keywords | 言語機能 / 脳磁図 / fMRI / 言語タスク |
Research Abstract |
今年度はfMRIと脳磁図による言語機能マッピング法の確立に重点をおいた。 1)fMRIによる言語野の検討は37例を対象として行った(健常者21名、疾患群16名)。言語タスクはverb generation taskを用い、視覚および視覚言語提示間隔を6秒として→1分間休止→1分間言語提示および想起を4セット行った。GE横河社製Signa1.5T MRI撮像装置を用いてGR法でBroca野を含む6スライス×70回の撮像を行った。fMRIの解析には、GE横河社製ソフトウェア"FuncTool"を用いた。健常者21名の解析は全例で終了し、右利き20例中、19例では左半球にBroca野が同定されたが、1例のみ右半球に推定された。"FuncTool"によるBroca野の推定は迅速、簡便に行いうる可能性が示唆された。統計解析ソフトウェア"SPM"による統計解析を追加施行中であり、両者の計測結果を比較検討して"FuncTool"信頼制度を検証する予定である。 2)MEGによる言語野の検討は12例を対象として行った(健常者8名、痴患群7名)。言語タスクは上記と同様である。Neuroscan社製ソフトウェア"Stim"を用いて言語視覚提示および言語聴覚提示を行った。Neuromag社製全頭型204チャンネル脳磁計を用いて、自発および誘発脳磁図を計測し、dipole法によってECDを推定した。計測結果はGE横河社製Signa1.5T MRI撮像装置を用いて撮像した3D fastSPGR画像上に3次元的に投影した。聴覚言語提示による誘発脳磁界計測では、有意な誘発反応を確認することは困難であった。提示する語音節長が一定でないこと、被検者の語想起のタイミングが一定でないことに起因すると考えられた。現在、語音節長を一定にした聴覚言語提示プログラムを作成し、同様の計測・解析を予定している。視覚言語提示による誘発脳磁界計測では左前頭部に誘発反応が観察されるが、各波のECD解析では、必ずしもBroca野に限局していなかった。視覚言語による語想起は後頭葉→連合野→Wernicke野→弓状束→Broca野へと繋がる反応であり、伝播の途中経過が観察された可能性がある。経時的に多方向性に情報が伝播する言語処理過程の解析をdipole法で単一の反応として解析することの限界を考慮し、今後はminimum norm current estimate法の適用を予定している。
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