2002 Fiscal Year Annual Research Report
興奮性神経細胞死における神経細胞核DNA損傷・修復の1分子イメージングによる評価
Project/Area Number |
14571306
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
山本 清二 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助教授 (60144094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 孝司 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助手 (50283362)
寺川 進 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (50014246)
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Keywords | 興奮性神経細胞死 / イノシトール三リン酸 / DNA断片化 / 1分子イメージング / 全反射型蛍光顕微鏡 |
Research Abstract |
A.目的 神経細胞核DNAがグルタミン酸によりどのような損傷を受けるのかをDNA1分子のイメージングにより明らかにする。 B.具体的検討項目 1.神経細胞核の形態変化のどの段階で核DNAが断片化しているか。 2.核DNAが断片化しているとすればどのような断片化か。 C.結果および成果 ラット培養海馬神経細胞を用い、形態変化はビデオ強化型微分干渉顕微鏡で観察し、カルシウムイオン動態、およびそれに続くセカンドメッセンジャーシステムの動態を検討した。その結果、グルタミン酸(1mM)とNMDA(1 mM)はそれぞれ投与後20分以内にイノシトール三リン酸(IP_3)の上昇、核内カルシウムイオン濃度の持続的上昇、核内顆粒の出現を引き起こした。 健常な神経細胞を顕微鏡下に採取し、DNAを抽出後、拡散を蛍光色素(YOYO-1)で染色し、対物レンズ型全反射証明蛍光顕微鏡で観察すると、DNAは1本の線状に観察されるが、核内顆粒を伴う神経細胞の核DNAは粒子や小さい断片のブラウン運動として観察され、正電荷コートしたガラス上では様々な長さと形態の断片として観察された。 D.まとめ 急性興奮性神経細胞死の過程では、IP_3システムをdeath signalとして、核内カルシウムイオン濃度が上昇し、核DNAのランダムな断片化が起こることが明らかとなった。 今後は、その損傷の可逆性と修復のプロセスに焦点をあて、遅発性細胞死との関連を検討する予定である。
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