2003 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム不安定性作用因子群の反復分散型発現抑制による腫瘍悪性度評価システムの開発
Project/Area Number |
14571317
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
朴 啓彰 高知大学, 医学部附属病院, 講師 (60333514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中林 博道 高知大学, 医学部附属病院, 助手 (70346716)
豊永 晋一 高知大学, 医学部, 助手 (90335927)
清水 惠司 高知大学, 医学部, 教授 (50162699)
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Keywords | genomic instability / cheek point / immortalization / apoptosis / telomerase / cyclin / cdk / glioma / collagen |
Research Abstract |
細胞周期調節因子であるCDK (cyclin dependent kinase)のinhibitorによる、グリオーマ細胞株に対する細胞増殖能とアポトーシス誘導の変動をCDK inhibitorの単独使用と抗がん剤併用下で解析した。CDK inhibitorとしてbutyrolactone, olomoucine, roscovineを使用した。また、薬剤によるDNA損傷を起こすために抗がん剤、メトトレキセート、シスプラチン、アドリアマイシン、BCNUを使用した。細胞増殖期のグリオーマ細胞株にCDK inhibitorを加え、上記抗がん剤に対する細胞増殖能はMTT法で調べた。アポトーシス誘導はアネキシンFACS法にて調べた。細胞株の増殖能が抑制された場合は、抗がん剤によるアポトーシス誘導が生じていることをアネキシンFACS法にて確認した。CDK inhibitor処置を行ったグリオーマ細胞株の抗がん剤によるアポトーシス誘導は、概ね2つのパターン化になることが示唆された。すなわち、CDK inhibitor投与下において、抗がん剤の殺細胞能が、増加ないし不変のタイプと低下しているパターンに2分された。これらの事象は、細胞周期による抗がん剤の感受性依存の存在を示しているものと考えられた。がん細胞におけるgenome instabilityが、細胞周期依存性アポトーシス誘導に影響し、抗がん剤や放射線などのDNA損傷に対する抵抗性を獲得している可能性があり、対象のグリオーマ細胞株数を増やし、さらに臨床悪性度との関連性を現在解析中である。 また、術中脳腫瘍組織のコラーゲンゲルを用いた3次元培養において、生検術など十分な組織標本が得られない場合があり、このような微量標本に対してコラーゲン3次元培養法が施行できるように検討中である。
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