2003 Fiscal Year Annual Research Report
可変型高力価Fasリガンドの髄腔内投与によるグリオーマの治療
Project/Area Number |
14571318
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
白石 哲也 佐賀大学, 医学部, 講師 (70206275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 雄介 持田製薬総合研究所, 研究員
田渕 和雄 佐賀大学, 医学部, 教授 (50116480)
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Keywords | グリオーマ / Fas / FasL / アポトーシス / イソロイシンジッパー / 髄膜播種モデル |
Research Abstract |
我々は昨年度に可溶型Fasリガンドにそれを多量化させるイソロイシンジッパーを結合させたキメラ蛋白質(FIZ-rhFasL)の作製に成功した。 FIZ-shFasLは大部分の脳腫瘍細胞株に高濃度でアポトーシスを誘導したが、抵抗性を示す細胞株も認められた。細胞株に発現しているFasをflowcytometryにて測定したところ、FIZ-shFasLの感受性はFasの発現と相関していることが明らかとなった。FIZ-shFasLに対する感受性を高めるためには細胞表面のFasの発現を高める処置が必要であることが判明した。 ラット尾静脈より種々の濃度のFIZ-rhFasLを投与し、24時間ごとに採血し、白血球数・赤血球数・GOT・GPT等を計測したところ、0.1から0.2mg/kgでは特に異常を認めなかったが、0.3mg/kgでは強い肝機能障害が惹起されることが明らかとなった。 ラットグリオーマ細胞C6にラットFasを高発現させたC6-Fasを作製し、ラット大槽内に移植してmeningeal dissemination modelを確立した。ラット大槽よりFIZ-shFasLを投与すると、髄膜腔に播種した腫瘍細胞にアポトーシスが濃度依存性に惹起された。同時に末梢血液中のFIZ-shFasL濃度を測定すると0.1mg/kgの約1/300の濃度であり、FIZ-shFasLを髄腔内に投与することにより全身性の合併症をきたすことは極めて可能性が低いと考えられた。
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