2002 Fiscal Year Annual Research Report
腰椎椎間関節の不動化が当該および隣接椎間板に与える効果に関する統合的解明
Project/Area Number |
14571353
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
白土 修 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (20206296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 晴一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60301884)
安田 和則 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20166507)
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Keywords | 脊椎固定術 / 椎間板 / 変性 / 隣接椎間 |
Research Abstract |
本研究では、腰椎椎間関節の不動化が当該および隣接セグメントの椎間板に与える効果を、生体力学的および組織・分子生物学的見地から統合的に明らかにすることを目的とする。平成14年度は、1)不動化のための具体的手技の確立、2)不動化椎間の生体力学的安定性の証明、3)Time0時点での不動隣接椎間における椎間板の生体力学的特性、に関して、以下の知見を得た。 1)不動化のための具体的手技の確立 日本成熟白色家兎12羽(平均体重3.4kg)を用いて、手術を施行した。後方正中切開で進入後、直径0.5mmのステンレスワイヤーを二重として、L3-4および5-6の横突起および棘突起間の二箇所を「8の字」に固定する。その後、PMMAレジンを用いて固定部位を補強する。家兎は、手術後、外固定をせずにケージ内で自由とした。この方法は、従来発表の無い、即時かつ強固な固定性が得られる方法である。 2)不動化椎間の生体力学的安定性の証明、および 3)Time0時点での不動隣接椎間における椎間板の生体力学的特性 MTS858材料試験機を用いて、生体力学的実験を施行した。検体は、全てTime 0の4羽を供した。以下の、2種類の処置群・4椎間の剛性を測定した。1)Sham群(家兎腰椎後方要素を展開した後に、ワイヤーとレジンを置き、不動化を行わない。L5/6で後方要素有り<A>/L4/5で後方要素無し<B>)、2)不動化群(L4/5;不動化隣接椎間で後方要素無し<C>/L5/6;不動化椎間で後方要素有り、かつワイヤーとPMMAレジン付き<D>)。検体をJigにレジンで強固に固定し、変位制御下に、圧縮(0.5mm)、引っ張り(0.5mm)、捻り(5°)の荷重を5サイクル付加し、各検体の剛性を求めた。 AとBの比較で、家兎脊柱においても、後方要素が椎間の安定性に大きく寄与していることが判明した。また、BとCの比較で、Time 0の時点では、隣接椎間板の剛性は不動化の有無に関わらず同等である。Dと他の群の比較により、レジンとワイヤーを用いる新しい方法は、強固な固定の得られることが判明した。
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