2002 Fiscal Year Annual Research Report
運動機能障害者の糖・脂質代謝の解析と科学的最適運動法の確立
Project/Area Number |
14571354
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 卓 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70292216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒澤 一 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (60333788)
金澤 雅之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60282050)
上月 正博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70234698)
佐藤 文俊 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70343051)
小川 晋 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20323016)
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Keywords | 運動機能障害者 / 運動療法 / 糖・脂質代謝 / 過酸化脂質 |
Research Abstract |
運動機能障害者の中で、まず我々は、近年日本でも増加の一途を辿っている若年肥満者に注目し、安全かつ効果的なリハビリテーションの確率をめざし研究を進めた。当院入院の10代後半から20代前半の若年者でBMIが49を越えた我が国では珍しい超肥満例で、運動療法を中心としたリハビリテーションを安全に施行し、3症例で著効を得た。 対象は14年7月まで当院に入院した3例。症例1)17歳、女性、身長163cm、体重116kg、BMI43.7、症例2)17歳、女性、身長171cm、体重143.8kg BMI49.2、症例3)24歳男性、身長177cm、体重135.8kg BMI43.3。それぞれに2型糖尿病の合併を認め、症例2)および3)では睡眠時無呼吸症侯群も認めた。これらの患者さん方にトレッドミル運動負荷試験を施行し、安全性を確認した後に施行した。また嫌気性代謝域値での心拍数を求め、これを目標にストレッチ・自転車エルゴなどの運動療法を監視下で行った。症例2)3)ではSp02も測定しながら施行した。これらの運動療法により、体重は漸減し、並びに血糖値の改善などを認めた。体重減少量は、それぞれ症例1)で34.2kg/6ヶ月、症例2)で31.0kg/4ヶ月、症例3)で18.4kg/2ヶ月で、除脂肪体重にはいずれも変化を認めなかった。加えて症例2)3)では施行中Sp02の明らかな低下をみることなく遂行し、睡眠時無呼吸症候群の改善も得た。以上のように、我々は、若年者で著しい肥満例に対し運動療法を施行し、その上で、トレッドミル運動負荷試験に基づき、すべて監視下で行うことで、その有効性並びに安全性が確認された。この研究結果は、平成15年度日本リハビリテーション医学会で口演発表予定であり、かつ、相当する学会誌などに投稿予定である。
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