2003 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成蛋白遺伝子を用いた脊椎腫瘍全摘出後の椎体再建
Project/Area Number |
14571366
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Research Institution | KANAZAWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
川原 範夫 金沢大学, 医学部附属病院, 助教授 (70214674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 英樹 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (70334779)
富田 勝郎 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (00092792)
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Keywords | 脊椎腫瘍 / 脊椎固定術 |
Research Abstract |
椎体再建において遺伝子(BMP遺伝子)を用いることでどの程度の骨形成が得られるかを動物実験で調べる計画であったが、これまでのBMPを用いての骨癒合、骨形成に関する報告では椎体再建という骨形成にとって極めて悪い環境での骨の形成は難しいと判断したため、最近研究が進み、良好な結果が報告されている自家骨髄幹細胞を用いての椎体再建における骨形成について調べることにした。 雑種成犬に対して、1椎骨の脊椎全摘術を施行し、そこにtitanium cageを挿入して脊椎の再建を行っている。手術手技は確立し、また犬用のインスツルメントも改良し、コントロール群は安定して得られている。 20匹の犬を2つのグループに分けて比較している。(1)自家骨を移植骨としてtitanium cage内にパッキングして椎体再建を行うグループ。(2)骨髄幹細胞をスポンジに染み込ませてcage内にパッキングするグループ。スポンジは、hydroxyapatite-tricalcium phosphate(HA-TCP)混合コラーゲンスポンジを用いる。骨髄幹細胞は、腸骨から骨髄穿刺の要領で骨髄細胞を採取し、これを遠心分離し、幹細胞の含まれる層を取り出し、さらに濃縮することで得ている。以上のグループで動物実験を行っているが、それぞれのグループで、術後8週で安楽死させたものと、術後16週で安楽死させたもの5匹ずつを比較検討している。その骨癒合評価は、画像検査として単純X線検査、CTスキャンによる評価を、徒手テストでの骨癒合の評価、病理組織像の検討を摘出した再建脊椎から、titanium cage内の移植骨の切片標本を作製し行っている。 現在までに自家骨移植を行ったグループの術後8週で安楽死させた5匹では、骨癒合、骨形成がともに良好に起こってきている。
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