2002 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管障害片麻痺者における持続等尺性運動時の筋交感神経活動
Project/Area Number |
14571369
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
田島 文博 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教授 (00227076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長野 昭 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50272547)
美津島 隆 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (80279348)
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Keywords | 脳血管障害 / 片麻痺 / 等尺性運動 / 筋交感神経活動 / 血圧 / 心拍数 |
Research Abstract |
研究計画に沿って、筋交感神経活動測定の設備整備と準備実験を行った。運動負荷および筋交感神経活動研究環境を整備し、ヒトから直接筋交感神経活動を測定することに成功した。その点では本年度の目的は概ね達成された。 具体的には当初の計画通りの方法で研究を遂行した。健常高齢者を対象に上腕二頭筋持続等尺性運動を施行し、健常者における運動時血圧、心拍数、筋交感神経活動を観察した。すなわち、被験者は上腕二頭筋の最大筋力を測定し、30分安静臥床にした後、右腓骨神経から筋交感神経を3分間測定した。その後、安静時の最大筋力の35%の負荷で上腕二頭筋の持続収縮を2分、再び安静とし4分間の回復期を観察した。その間、筋交感神経、血圧と心拍数の持続測定を行った。 健常者における上腕二頭筋持続等尺性収縮運動負荷時の筋交感神経活動の報告はこれまで無かったが、持続ハンドグリップ運動負荷時の報告と同様に有意な上昇が観察された。 さらに、本年度は健常者のみの測定計画であったが、すでに2名の脳血管障害者の測定にも成功した。例数が少ないので、統計学的な処理は不可能であるが、脳血管障害者の持続等尺運動による血圧、心拍数の変化は健常者よりむしろ減弱しており、筋交感神経活動の反応も低下している傾向を認めた。これは、脳血管障害片麻痺者のリハビリテーション訓練の安全性を確認するという意味では、非常に重要な発見である。健側上下肢の筋力を強化する訓練は積極的に行っても健常者以上のPressor responseは無いこと意味している。
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