2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571381
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田中 浩 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (50197464)
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Keywords | 末梢血管細胞 / 骨髄間質細胞 / 骨芽細胞 / 軟骨細胞 / 軟骨再生 / 成長因子 / 骨形成 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
1、骨芽細胞への分化に関する研究 (方法)ラットより末梢血及び骨髄液を採取し培養した。コンフルエントに達した後継代し、デキサメサゾン、BMP、bFGFを作用させた。これらの細胞に対しアルカリフォスファターゼ染色を行った。また、細胞よりtotal RNAを抽出し、骨基質蛋白(アルカリフォスファターゼ、タイプ1コラーゲン、オステオポンチン、オステオカルシン)およびハウスキーピング遺伝子(GAPDH)の遺伝子発現をRT-PCR法にて解析した。 (結果)骨髄間質細胞では、デキサメサゾンやBMPを加えることにより、アルカリフォスファターゼ染色陽性細胞が多数みられたが、末梢血由来細胞では、いずれの処理においても陽性細胞はみられなかった。さらに骨髄間質細胞では、これらの処理により骨基質蛋白遺伝子の発現が増加した。末梢血由来細胞における骨基質蛋白遺伝子の発現は現在検討中である。今後成長因子を加えるタイミングなどを検討することにより骨芽細胞への分化がもっともよくみられる培養条件を決定したい。 2、軟骨細胞への分化に関する研究 (方法)ラット由来の末梢血由来細胞および骨髄間質細胞を遠心管培養法、高密度培養法など三次元構造を維持する方法にて培養したこれらの培養法に対しデキサメサゾンや成長因子(BMP、TGF-b)を作用させ、3週まで培養した。これらの細胞を包埋切片とし、アリューシャンブルーにて染色し、軟骨基質の産生について組織学的に評価した。 (結果)骨髄間質細胞では、これらの培養法により、アリューシャンブルーにて染色される基質を有する軟骨様の組織がみられたが、末梢血由来細胞では、いずれの処理においてもこれらの所見はみられなかった。今後アルギネート内培養法など他の三次元構造を維持する培養法や成長因子による処理法などを検討することにより軟骨細胞への分化を促進するような培養条件を決定したい。
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