2002 Fiscal Year Annual Research Report
再生医療技術を応用した人工関節の固着性に関する実験的研究
Project/Area Number |
14571399
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
高倉 義典 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40094578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 隆章 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90275347)
川手 健次 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (70275329)
田中 康仁 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (30316070)
大串 始 ティッシュエンジニアリングセンター, 研究室長
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Keywords | 再生医療 / 人工関節 / 骨髄間葉系幹細胞 |
Research Abstract |
家兎の骨髄間葉系幹細胞の人工材料上での至適培養条件を確立するために、シャーレ上で細胞濃度および期間をかえて培養実験を行った。まず、上腕骨から骨髄針を用いて骨髄液を採取し培養した。1週および2週間でフラスコ底面に増殖した間葉系幹細胞をトリプシンではがし、細胞濃度を変えてデキサメサゾン入りの培地を用いて骨芽細胞に分化させた。骨芽細胞の活動性をAlkaline posphatase活性を用いて評価したところ、初期培養を2週間行い、細胞濃度を5×10^6個/mlに調整し、人工材料上で2〜3週間かけて二次培養行うのが最適であることがわかった。 骨芽細胞コーティングを行ったアルミナセラミックと骨との固着性の力学的および組織学的検討を行った。両面にビーズ加工された15×10×2mmのアルミナセラミックの試験片の片側に、この条件を用いて骨芽細胞コーティングを行った。対側の面には培養を行わずコントロールとして用いた。家兎の脛骨の内外側から骨孔を作成し、試験片の両面が前後方向になるように挿入した。左右の脛骨で、試験片の前後を逆にして挿入し、両方を検討することにより設置部位による相違を相殺した。挿入3週間後に脛骨ごと試験片を取り出し、4羽で硬組織標本を作成した。骨芽細胞をコーティングした面ではビーズの間隙の奥まで骨が入り込んでいるのに対して、コーティングしていない面では結合組織のみを認めた。また、試験片の保持用のジグを作成し、6羽で引き剥がし試験を行ったところ、著しく有意にコーティング面での引き剥がし強度が大きかった。挿入後3週間で力学的にも明らかな差異を認めたことは、人工材料と骨との固着性を考えた場合画期的である。来年度以降は挿入期間や材料を変えての組織学的・力学的検討の他に、最近当施設に導入されたマイクロCT装置を用いて詳細に検討する予定である。
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