2005 Fiscal Year Annual Research Report
再生医療技術を応用した人工関節の固着性に関する実験的研究
Project/Area Number |
14571399
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
高倉 義典 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40094578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 康仁 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30316070)
川手 健次 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (70275329)
吉川 隆章 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90275347)
大串 始 独立行政法人産業技術総合研究所, セルエンジニアリング研究部門・組織・再生工学研究グループ, グループ長 (80213669)
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Keywords | 再生医療 / 間葉系幹細胞 / 人工関節 / アルミナセラミック / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
これまでに用いてきた実験系は、家兎の脛骨に材料を移植し、骨との固着性を検証するというものである。試験片は、15×10× 2mmの大きさで、両面に同様の加工を施した。骨髄間葉系細胞を1×10^6個/mlの至適細胞濃度に調節し、片方の面で二次培養し、骨芽細胞をコーティングした。対側の面には培養を行わずコントロールとして用いた。脛骨の内外側から骨孔を作成し、試験片の両面が前後方向になるように挿入した。このとき左右の脛骨で試験片の前後を逆にして挿入し、両方を検討することにより設置部位による相違を相殺した。これまでに行った表面をビーズ加工したアルミナセラミックを用いた実験では、術後3週間の超早期に骨芽細胞をコーティングした面ではビーズの間隙の奥まで骨が入り込み、十分な力学強度が得られることが分かった。 本年度は同様の実験系を用い、アルミナセラミックと同様に両面をビーズ加工したチタン製ならびにコバルトクロームを用いた試験片を作成し、家兎を用いて固着性の検討を行った。しかし、細胞搭載面での固着性は増加したが、統計処理をできるほどの十分量の検体を得ることができなかった。向後引き続き実験を行う予定である。 また、15年度の実績報告書で述べたように、ヒト骨髄幹細胞を用いてアルミナディスク上での骨形成能を検討したところ、骨形成が起こることが証明された。そこで本学倫理委員会の承認を得て、文書による説明と同意を得た後、変形性足関節症の3名にこの技術を臨床応用した。表面をビーズ加工されたアルミナセラミック製人工足関節の骨との固着面上で、骨髄を培養して骨芽細胞に分化させた。それを実際に置換した。3名の術後2年の結果では、良好な骨固着性が証明された。感染などの副作用もなく、安全に臨床応用できた。
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