2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571400
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
芳賀 敏実 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20192263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦野 修 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40164850)
三井 宜夫 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70145845)
前田 学 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (80311926)
大軽 靖彦 大日本製薬(株), 研究開発部, 部長
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Keywords | 細胞周期関連蛋白質 / 腫瘍 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
悪性細胞の有無を知るためのマーカーとして、我々は細胞周期関連蛋白質に注目した。正常細胞株の培養上清には発現がなく、悪性細胞株の培養上清にのみ浸出してくる蛋白質に焦点を絞った。そこで、樹立培養株細胞とインフォームドコンセントが得られた各種腫瘍の患者、正常人ボランティアの血清について細胞周期関連蛋白質の発現を調べた。 (1)骨肉腫、MFH、乳癌、卵巣癌、正常乳腺細胞の各樹立細胞株を用いて、それぞれの細胞の培養上清中への細胞周期関連蛋白質の出現の有無についてWestern Blotting法により、免疫組織化学的に検討した。さらに、これらの各細胞株に対しX線照射を行い、人為的に細胞を壊死させたときの培養上清中の細胞周期関連蛋白の挙動を調べた。 結果、正常細胞株では、細胞周期関連蛋白の出現は全く認められなかったのに対して、骨肉腫、MHF、乳癌、卵巣癌の各樹立培養細胞株の培養上清では全てに細胞周期関連蛋白の出現を認めた。また、X線照射により人為的に細胞壊死を誘導した場合、細胞周期関連蛋白の出現量は、細胞をX線照射する時間に比例して多くなり、細胞の壊死程度に比例していることが明らかとなった。 (2)骨肉腫、MFH、癌腫患者血清における細胞周期関連蛋白の検出を免疫組織化学的に試みた。担癌患者および正常人血清を検体として用い、培養細胞株と同様の方法で細胞周期関連蛋白の検出を試みた。結果、従来言われている血液癌のみならず、肉腫では4/6、癌腫でも26/40で細胞周期関連蛋白の検出が可能であり、固形悪性腫瘍でも十分に血清レベルで捉えることができることを確認した。次年度はこの結果を基にし、細胞周期関連蛋白質の精製を試みる。
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