2002 Fiscal Year Annual Research Report
超急速凍結法による骨膜、骨膜付き骨の保存-器官凍結保存法の確立-
Project/Area Number |
14571407
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
高橋 正憲 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (10095622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼子 智 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (40214457)
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Keywords | 冷凍保存 / 骨膜 / 軟骨 / 骨膜付き骨 / ジメチルスルフォキシド / 緩速凍結 / 急速凍結 |
Research Abstract |
我々はDMSOを基とした凍結保護剤を用い、我々が温度条件を設定したプログラムフリーズ法により、骨膜、骨膜付き骨、軟骨がviabilityを温存して凍結保存が可能であることを発表してきた。今回は生殖医療の領域では実用化されつつある超急速凍結法であるガラス化法を骨および軟骨の凍結保存に用い、viabilityが温存されるか否かを検討した。方法は従来行って来た方法で、18日鶏胚より大腿骨を、15日鶏胚より軟骨を採取し、我々が調整を行った20%DMSO、20%エチレングリコール入りの凍結保護剤で20分間平衡化を行う。平衡化後、骨および軟骨をセラムチューブ、セラムチューブ内にシリコンシートを敷いた容器、ポリビニールパックの3容器に入れ液体窒素中でガラス化を行った。各容器に入れガラス化凍結を行った組織を取り出して0.5Mおよび0.25Mショ糖入りの37℃α-MEM培養液で各10分間融解、平衡化後9日授精鶏卵より作成した漿尿膜培地上で10日間培養を行った。培養後骨および軟骨を取り出してX線学的、組織学的に検討を行った。その結果、セラムチューブ内にシリコンシートを敷いた容器を用いたものではプログラムフリーズ法に比較して劣るものの凍結骨および軟骨にviabilityが認められた。他の容器ではviabilityは認められず、ガラス化凍結には容器の熱伝導性が非常に影響していることが分かった。ガラス化法は手技が容易で、時間も短時間で済むため組織や器官の凍結保存には有用な手段になるが、実用化にはガラス化に適した容器の開発や、凍結保護剤、融解方法などまだ多くの解決すべき問題がある。
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