2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571436
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
桐原 由美子 島根大学, 医学部, 教務職員 (90234400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 寛 島根大学, 医学部, 助手 (20297005)
斉藤 洋司 島根大学, 医学部, 教授 (50162243)
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Keywords | 神経因性疼痛 / オピオイド / くも膜下投与 / 痛覚過敏 / 侵害性刺激 / 非侵害性刺激 |
Research Abstract |
Spurague-Dawley系雄ラットの左坐骨神経を糸で4箇所縛るBennettの方法を用いて神経因性疼痛モデルを作成し、14日後まで疼痛閾値の変化を測定した。侵害性疼痛閾値の測定には、ラットの後肢の背側面に圧を加え、逃避した時点の圧を閾値とするpaw pressure(PP)試験と、後肢足底に輻射熱を与え、逃避するまでの時間を測定するpaw flick(PF)試験を行った。非侵害性疼痛閾値の測定には、フィラメントを後肢足底にあて、逃避反応が起きた時点の後肢へ加重された重さを閾値とするSemmes-Weinstein monofilament(SWM)試験を行った。5日目から9日目までの5日間、朝夕2回、モルヒネ10μgあるいは生理食塩水を10μlラットのくも膜下に投与し、モルヒネの連続投与が神経因性疼痛モデルの疼痛閾値に与える影響を調べた。 左坐骨神経を縛ったラットは5日目より、PP、PF試験およびSWM試験において、左後肢の疼痛閾値が右後肢と比較し、有意に低下し14日後まで持続した。モルヒネ連続投与群の右後肢の疼痛閾値は生食投与群と比較し、7日目から12日目までPP試験において有意に低下したが、神経を縛った左後足では、9日目のみ有意に低下した。PF試験、SWM試験でも同様の傾向を示したが、統計学的には有意差は認められなかった。 9日目にモルヒネ連続投与群、生食連続投与群ともにモルヒネ10μg/10μlをくも膜下投与し、その鎮痛効果をPP試験を用いて比較した。モルヒネ連続投与群は生食連続投与群と比較し、両後肢で鎮痛効果が低下し耐性の発現が認められたが、その程度は、右後肢で強く認められた。 これらの結果によりモルヒネ連続投与により、神経因性疼痛モデルでは、痛覚過敏が増悪することが明らかとなった。しかし、モルヒネの鎮痛効果の減弱(耐性発現)は、神経縛りをした肢では比較的起きにくいことが明らかとなった。
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