2002 Fiscal Year Annual Research Report
電気痙攣療法による脊髄虚血耐性獲得に関する基礎研究
Project/Area Number |
14571454
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
垣花 学 琉球大学, 医学部附属病院, 助教授 (20274897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 徹也 琉球大学, 医学部附属病院, 助手 (30325857)
原田 秀樹 久留米大学, 医学部, 講師 (30198923)
笹良 剛史 琉球大学, 医学部附属病院, 助手 (80225903)
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Keywords | ラット / 脊髄虚血 / 電気痙攣療法 / c-fos / HSP / 虚血耐性 |
Research Abstract |
脳への電気刺激により脳虚血に対する耐性が獲得されたという報告から、脊髄への電気刺激により脊髄虚血への耐性獲得が可能であるか検討した。今回の研究は、電気刺激による急性耐性獲得の存在を確認する目的で行った。350-400gのSDラットを用いた。イソフルラン麻酔下(自発呼吸)に第1腰椎を追求切除し、硬膜外腔を露出した。白金電極を、頭側へ2cmと尾側へ3cm挿入した。白金電極挿入5日後に脊髄電気刺激と脊髄虚血実験を行った。イソフルラン麻酔下で虚血開始30分前に0.8mA・10秒間の電気刺激を与えた。対照群では白金電極は挿入するが、電気刺激は行わなかった。その後、Taira&Marsalaモデルを用い、8分間の脊髄虚血侵襲を加えた。虚血終了後、閉創し麻酔から覚醒させ神経学的機能を観察した。 その結果、虚血後3日間の下肢運動機能はBBBスコアーで0-3点を示し、両群間で差はみられなかった。虚血後2週間目では、BBBスコアーで9点を示し、コントロール群では0-3点であった。(n=3) 以上のことから、脊髄においても電気刺激による虚血耐性獲得の存在が示唆された。今後、実験検体数を増やし統計学的解析を行う予定である。また、電気刺激後の脊髄血流の変化についても検討する予定である。さらに、電気刺激による遅発性耐性の存在も検討していく予定である。
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