2004 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷および末梢神経損傷性疼痛における脊髄内痛覚情報伝達機序の解明
Project/Area Number |
14571455
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
表 圭一 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (60185676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川股 知之 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80336388)
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Keywords | 脊髄損傷 / 末梢神経損傷 / 脊髄後角 / プロスタグランジン / 一酸化窒素 / シクロオキシゲナーゼ |
Research Abstract |
脊髄損傷,末梢神経損傷時に,疼痛関連システムの作動性を評価するために,プロスタグランジン系と一酸化窒素系の作動状況の評価およびその相互作用について検討した.神経損傷時には,同時に炎症反応が生じ,いわゆるchemical mediator soupといわれる病態を形成する.そのなかで,プロスタグランジンE2とI2の産生とその合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ-1および-2(それぞれCOX-1,COX-2)の発現性を検討したところ,プロスタグランジンE2とI2(それぞれPGE2,PGI2)の産生増加が認められ,また,COX-1およびCOX-2の両酵素タンパクの発現増加(Western blot法)が認められた.また,COX-2の発現性は,一酸化窒素合成酵素(NOS)により抑制された.一酸化窒素(NO)も増加を認め,NOSにて完全に抑制された.末梢神経切断にて,PGE2, PGI2およびNO産生は部分的に抑制された.このように,プロスタグランジン系とNO系には密接な相互作用が存在することが示唆された.
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