2002 Fiscal Year Annual Research Report
心血管整合バランス指標を用いた非侵襲的循環モニター法開発に関する研究
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14571457
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
林 和子 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40285276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉町 勝 国立循環器病センター, 研究所・循環動態機能部, 室長 (40250261)
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Keywords | 心血管整合バランス / Ees / Ea / 駆出率 / Augmentation Index / 脈波伝搬速度 / 動脈硬化 / 非浸襲的循環モニター / 心拍出効率 |
Research Abstract |
本研究により測定した心血管整合バランス値(Ees/Ea)を他の汎用循環モニター(心エコー、動脈波形解析装置)を用いて計測した循環測定値と比較検討し、Ees/Ea値の循環モニターとしての意義を明らかにする一方、健常者、虚血性心疾患患者、高血圧患者におけるEes/Ea値データを蓄積し、本法によるEes/Ea測定値の正常範囲を確認し、またEes/Ea値と動脈硬化、心疾患等との関連を探った。 高血圧群、心筋梗塞既往群、正常高齢者群、正常若年者群において、本算定法によるEes/Ea値、PWV(pulse wave velocity)、AI(augmentation index)を同時に測定比較したところ、心筋梗塞群ではEes/Ea値が高血圧群(1.46±0.29)や健常高齢者群(2.17±0.29)に比べて有意に低い所見が認められた(0.87±0.07)。一方、AI値、PWV値は、心筋梗塞群と高血圧群の間で有意差は認められなかった(論文投稿準備中)。このことから、主に血管壁硬化等の血管側の情報を反映するPWV等の指標からは得られない統合的な心血管機能が本法により測定できることが示唆された。即ち、動脈硬化等による後負荷増大を心筋肥大で代償し得ない状態を、本研究ではEes/Ea値の低下と捉えることが可能であると言える。また、本研究により非侵襲的に測定したEes/Eaは、報告されている侵襲的方法により測定された従来のEes/Ea値とほぼ一致しており、本法がヒトにおいても心血管整合バランスを定量的に表すことがわかった。 更に、心エコーを用いて測定したEFと、本法のEes/Ea値を比較検討したところ、Ees/Ees値はEFと良好な相関関係が得られた(R=0.79;RMSE=0.08)。以上より、本算定法によるEes/Ea測定が心血管機能を簡易に判別できる優れた指標と成り得ることが期待される。
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Research Products
(1 results)