2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571474
|
Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
平井 圭一 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60027092)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 淳子 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (60102109)
島田 ひろき 金沢医科大学, 医学部, 講師 (60278108)
|
Keywords | パラコート / 除草剤 / 急性毒性 / ミトコンドリア / 解毒作用 / チトクロムP450 / ミクロソーム |
Research Abstract |
重篤な肺不全をはじめとする多臓器障害を引き起こし、パーキンソン病のリスクファクターにもなっている除草剤パラコートの急性細胞毒性経路が、ミトコンドリアの外膜に局在するNADH-キノン・オキシドレダクターゼ_m活性によること、その本態にミトコンドリアの膜透過性遷移を調節する電位依存性アニオンチャンネルタンパク質(VDAC)が関与することを示す実験結果を得、論文報告を準備中である。 1.分離ラット肝ミトコンドリアは2mM NADH存在下に3mMパラコートによって電子顕微鏡的に膨化破壊されるが、抗VDAC1抗体によって抑制された。 2.分離ラット肝ミトコンドリアは2mM NADH存在下に3mMパラコートによって活性酸素が生成し破壊されたが、α-トコフェロールが抑制した。活性酸素の生成は、アニオンチャンネルブロッカー、抗VDAC抗体、およびVDAC結合物質DCCDによって阻害された。 3.NADH-キノン・オキシドレダクターゼ_m活性は、500kDaの複合タンパク質に存在していた。 4.伝統的にパラコート毒性機構と信じられてきた小胞体薬物代謝酵素系は、解毒系であることが証明された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] E.Simamura, K.-I.Hirai, H.Shimada, et al.: "Mitochondrial damage prior to apoptosis in furanonaphthoquinone treated lung cancer cells"Cancer Detect.Prev.. 27. 5-13 (2003)
-
[Publications] 島村英理子, 島田ひろき, 平井圭一, 他: "パラコートのミトコンドリア障害に対するミトコンドリア膜透過性蛋白の関与"電子顕微鏡(日本顕微鏡学会第59回学術講演会プロシーディングス). 38(補1). 199 (2003)
-
[Publications] 島田ひろき, 平井圭一, 島村英理子, 他: "パラコートのミトコンドリア毒性に関与する膜透過性タンパク質の蛍光画像解析"電子顕微鏡(日本顕微鏡学会第59回学術講演会プロシーディングス). 38(補1). 200 (2003)
-
[Publications] 島村英理子, 平井圭一, 島田ひろき, 他: "ミトコンドリアを標的とする抗腫瘍物質フラノナフトキノン誘導体の研究"ミトコンドリア研究会年会要旨集. 29 (2003)
-
[Publications] 島田ひろき, 平井圭一, 島村英理子, 他: "パラコート細胞毒性に関与するNADH-quinone oxidoreductasem活性の探求"ミトコンドリア研究会年会要旨集. 60 (2003)
-
[Publications] 平井圭一, 島田ひろき, 島村英理子: "ミトコンドリア外膜の活性酸素生成系:化学物質による細胞毒性機構"第13回体力・栄養・免疫学会抄録集. 16 (2003)